NHKスペシャルで話題 「育児がつらい」を科学的に解明 「産後うつ」は母親のせい?

食・暮らし 2016年4月7日掲載

「何の地獄かと思いました。こんなの聞いてなかった」「子どものことでこんなに自分が落ち込んだり、自信がなくなったりするんだ」「毎日、予想の下を下をいく生活」――育児中に母親たちが抱える悩みを、最新科学によって検証、その原因を解説するNHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫る ニッポンの子育て」の第2弾が、3月27日に放送された。今年1月31日に放送された第1弾の大反響に応えての放映である。

 母親たちの悩みの根本は、望んで出産したにも拘わらず、育児中にどうしようもない不安や孤独にさいなまれ、それらを誰とも分かち合えないこと。核家族化が進む現代、子育てにおける母親の孤立はますます深まっていて、産後にうつ病を発症する「産後うつ」は、一般的なうつの5倍以上にも上る。

 妊娠前は、のんびり屋でマイペースを自認していた宝塚オタクのギャグ漫画家はるな檸檬氏も、2014年に第一子を出産した際、体験したことのないような孤独感に襲われた。今考えればなんと言うこともない助産師の一言がスルーできず、「ビックリするくらいショッキング」に思えてしまい、何年かぶりに大声で泣きわめいたり、退院後には実母と泣き叫びながらの大ゲンカも経験。自分が自分でなくなるかのような出産後の数ヶ月は、「涙が出るほどしんどかった」と言う。

 そんな母親たちの心を救ったのが、同番組の「科学的な視点」だ。彼女たちが出産後、不安や孤独を感じるのは、科学的には「当たり前」のこと。妊娠中から分泌量がどんどん増え続ける胎児を育むために必要なホルモン、エストロゲンは、出産を機に急激に減少してしまう。すると、母親の脳では神経細胞の働き方が変わり、強い不安や孤独を感じるようになるというのだ。

 そのときの心境を、はるなさんは、漫画『れもん、うむもん!―そして、ママになる―』の中で画像のように描いている。

漫画『れもん、うむもん!―そして、ママになる―』より

 望んで望んで出産したのに、他のお母さんはみんな幸せそうなのに、なぜ自分だけ……しかし産後の不安や孤独は、まったく不自然なものではない。母性とはなんの関係もない、自分の力ではコントロール不可能な「本能」である――この事実を自分だけでなく、父親を含む周囲が知っていてくれるだけで、母親の気持ちは随分救われる。

デイリー新潮編集部