“中国の皇帝”と間違えられた「秋篠宮ご夫妻」イタリアの旅

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 約430年前、かの地を訪れた天正遣欧少年使節の功績は日本という国を知らしめたことだという。

 皇室担当記者によれば、

「秋篠宮ご夫妻は5月10日から17日までの日程でローマやミラノ、フィレンツェなどをご訪問されました。国交樹立150年式典では、少年使節や支倉常長に触れ、両国交流の歴史についてお言葉を述べられました」

 それにしても、ご夫妻の訪問に関する新聞報道は極めて少なかった。宮内庁関係者が声を潜める。

「実は宮内記者会で同行した記者はカメラクルーを除けばNHK1社のみ。そのため、大使館側が各社の現地特派員に“取材要請”をしたと聞いております」

 ならば、現地の様子はどうだったのか。

「12日、ご夫妻は天皇皇后両陛下が93年に表敬訪問されて以来23年ぶりにローマ法王と会見されました。ミラノでは現地の日本人との懇親会が開かれ、市内のホテルで商社関係者や彫刻家など30人ほどでご歓談。また、家畜に関心をお持ちの殿下は15日、牛の産地で名高いトスカーナ州の農場を訪れ、ローストビーフやチーズなども召し上がりました」(在イタリアのジャーナリスト)

 もちろんイタリア人との交流も欠かさない。

「日本研究が盛んなローマ大学を訪れ、日本文学をテーマにしたシンポジウムに出席。学生の代表12人との懇談も行われました」(同)

 一方で、こんな一幕も。

「視察先のフィレンツェの市場で働く人が地元の警察官に『中国の皇帝のせいでトラックが停められない』と文句をつけたと地元紙が報じました。近くにいた人がすかさず『中国は共産党だから皇帝はいない。日本の国王だよ』と注意したそう……。紙面の最後で第二皇子であると指摘されていましたが」(同)

 ご夫妻帰国の17日、折しも天正遣欧少年使節の一人、「伊東マンショ」の油彩肖像画の公開が世界に先駆け、東京国立博物館で始まった。

週刊新潮 2016年5月26日号掲載

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