「南京大虐殺」を世界遺産に推した女史が国連事務総長になるという悪夢

国際週刊新潮 2016年4月28日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

「女子学生の3割は援助交際をしている」などと、日本に侮辱的な横槍ばかりを入れてくる国連機関だが、こと事務総長となると重みが違う。ところが、次の有力候補ときたら「南京大虐殺文書」の世界記憶遺産登録を決定した例の女性だという。気を付けろ、「ボコバ女史」がやってくる!

潘事務総長よりタチが悪いイリナ・ボコバ女史

 菅官房長官の異例の発言が注目されたのは4月13日のこと。

「ほかの安全保障理事会メンバーとも連携しながら、次期(国連)事務総長選出プロセスに積極的に関与していきたい」

 これまで、政府首脳が国連トップの人事について“関与する”と発言したことがなかっただけに、驚きをもって受け止められたのだ。それが、4月12~14日に、国連本部で行われた事務総長候補に対する公聴会のことを指しているのは明白だった。

 ワシントン特派員が言う。

「年末に退任する潘基文事務総長の後任として名乗りを上げているのは9人。事務総長人事は大陸ごとに持ち回りになっており、これまで、南米、アフリカ、アジアと来ているので、次はそれ以外が有力です。また、8代続いて男性の事務総長だったことから次は女性が就任する可能性が高い。そこで有力視されているのが、いずれ、“一騎打ち”になると見られている2人の女性です。一人は、国連開発計画(UNDP)総裁のヘレン・クラーク女史、そしてもう一人が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長のイリナ・ボコバ女史です」

 クラーク女史はニュージーランド出身。UNDP総裁を7年間務めた実力者で、公聴会では約50カ国から賛同の拍手があがったという。ボコバ女史も負けてはいない。

潘基文事務総長

■中ロが「味方」

「国連の中では、東欧出身者を望む声が強く、彼女はブルガリア出身。おまけに、父親は共産党機関紙編集長で、本人もロシアの国際関係大学出身ということからロシアとのパイプが強いと言われています」(同)

 だが、本誌(「週刊新潮」)も報じたように、このボコバ女史、2015年に中国が世界記憶遺産に申請した「南京大虐殺文書」の最終決定者だったのはご存じのとおり。文書に含まれる写真や日記には出所不明なものが多く、日本政府も強く抗議したが聞き入れられることはなかった。さらに、ボコバ女史、ユネスコ事務局長という立場にありながら、昨年9月には、中国の「抗日戦争70周年記念式典」に出席、習近平国家主席とも会っている。

 評論家の石平氏によると、

「中国の国家主席とユネスコの事務局長では格が違いすぎるため、本来なら対面で会話することはあり得ない。それでも習近平が会ったのは、ボコバ女史が中国共産党の意向を受け、反日戦略に加担することを期待されているからです」

 ということは、ロシアに加え、中国まで味方に引き入れたボコバ女史は、一層有利ということなのか。国連事務総長は、安全保障理事会が推薦した人物を、国連総会で任命することで選ばれる。

 先の特派員が言うのだ。

「なかでも事務総長選びは、常任理事国の意向が強く働きますが、クラーク女史を推しそうなのが英米です。しかし、アメリカは大統領選の真っ最中で動きにくい。残るフランスは同じヨーロッパなので分かりません。ボコバ女史が事務総長になれば、いったん却下された慰安婦の記憶遺産登録に中国が乗り出してくることが予想されます」

 菅官房長官が異例の“人事介入”を表明したのも頷ける話なのだ。

「ワイド特集 浮世にも活断層」より