美人と不美人の「生涯賃金格差」は3600万円! 経済学者が明かした「残酷すぎる真実」
美人は本当にトクをしているか
「美人はトクよね」
「あいつは顔で得をしている」
そんなセリフを口にしたり、耳にした経験がある方は多いだろう。そのようなことを実感する場面が、日常生活に存在しているのは事実である。
しかし、こういうセリフはあまり公の場では口にできないのもまた現実だ。
仮に政治家が、この手の発言をしたら、おそらく「アウト」となるだろう。
速報「双子の娘さんの食事を作り奥様を支えた」 火災で亡くなった猪口邦子議員の夫・孝さんの心優しき素顔 「仲むつまじい夫婦として有名」
速報秋篠宮さまが吐露された「衝撃のフレーズ」 「“いじめの主体は国民”という趣旨のご発言は悪手」
速報「もはや完全な自白」 斎藤知事と弁護士が掘った墓穴…識者が徹底批判 「恩人の折田社長に責任を負わせようとしている」
この種の「言ってはいけない」とされることについて、大胆に言及したのが、作家・橘玲氏の新著『言ってはいけない 残酷すぎる真実』だ。
以下、同書をもとに「美貌格差」に関する「残酷すぎる真実」をご紹介しよう。
「美人と不美人の生涯格差」について研究したのは、経済学者のダニエル・ハマーメッシュ。彼は多くの男女の見た目を5段階評価したうえで、それぞれの収入を調べる、という研究を行った。
すると、平均点(3点)の女性を基準にした場合、4点~5点の女性は平均女性よりも8%収入が多く、逆に1~2点の女性は4%少ない、という結果が出たという。
これを大卒のサラリーマンの生涯賃金(平均約3億円)にあてはめて計算した場合、美人は約2400万円のトクをし、不美人は1200万円の損をして、その「生涯賃金格差」は3600万円にもなるのだ(※1)
成功者は顔でわかる
「女性は大変だなあ。男でよかった」
などと安心するのは間違いだ。
男性の容貌に関する研究もある。
米タフツ大学のニコラス・ルールとナリーニ・アンバディは「CEO(最高経営責任者)の顔だけで会社の収益を予測できるか」というとんでもない疑問を思いつく。そして、被験者に2006年のフォーチュン500(米国の大手企業500社)の上位と下位の各25社(計50社)の男性CEOの顔写真を見せて、以下の3点を評価してもらった。
(1)力:CEOの能力、統率力、顔の成熟度から判定
(2)温かみ:CEOの好感度、信頼度から判定
(3)リーダーシップ:この人物は巧みに会社を運営できるか?
その結果、彼らは「力」と「リーダーシップ」の印象だけで会社の収益をきわめて正確に予測した(「温かみ」は業績とは無関係だった)。この結果はCEOの顔立ちの端正さ、表情、年齢を揃えても変わらなかった。
しかも、被験者たちの脳をMRIで調べたところ、高収益の会社のCEOの顔写真を見ているときのほうが、扁桃体が活発に動いており、感情が動かされていることがわかった。(※2)。
容貌と経済的成功には何らかの相関があるということである。
幸か不幸か、日本では、こうした社会的タブーとされるテーマに関する研究、実験は少ないが、欧米ではある程度行われている。『言ってはいけない』では、そうした様々な研究成果を紹介しつつ、普段は口にできないような「真実」に迫っている。
※1 詳細は、ダニエル・S・ハマーメッシュ『美貌格差』(東洋経済新報社)参照。
※2 詳細は、マシュー・ハーテンステイン『卒アル写真で将来はわかる』(文藝春秋)参照。