なぜか両陛下の“ご参拝”に触れない朝日新聞 広報に聞くと「理由はありません」

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〈両陛下、福生を初訪問〉

 朝日新聞4月13日付朝刊・第3社会面の片隅に、こんな見出しで始まる記事が掲載されていた。

〈天皇、皇后両陛下は12日、東京都福生市を初めて訪れ、江戸時代から続く造り酒屋「田村酒造場」と玉川上水を視察した〉

 通常、こうした自治体へのご訪問は、展覧会などのイベントや、記念式典に出席されるという形で行われる。しかし、この記事を読む限り、福生市で何か特別な行事が行われていて、そこに招かれたという訳ではない。ということは、今回の福生へのご訪問はかなり異例といえるが、なぜなのか――。

ご参拝は完全スルー

 宮内庁担当記者が種明かしをする。

「実は両陛下はこの日、八王子市にある昭和天皇の武蔵野陵と、香淳皇后の武蔵野東陵を参拝されています。福生へは、ご参拝の後にお立ち寄りになられました」

 読売、毎日、産経、日経の記事に目を通してみると、たしかに各紙、ご参拝の後に福生ご訪問と報じている。

 ではなぜ朝日新聞は、記事の中で、参拝について触れていないのか。参拝のことを知らなかったはずもあるまい。訊ねると、

「特別の理由はなく、見解もございません」(朝日新聞社広報部)

 と、木で鼻をくくるかのようなお答え。皇室ジャーナリストが嘆息する。

「朝日は伝統的に皇室に対して一定の距離を置き、冷めたスタンスを取っています。そうした態度が時折、記事に反映されるのでしょう。しかし今回、両陛下のご参拝の事実を書かないのは、読者に対して、不親切極まりないといえます」

 とはいえ、皇室嫌い一辺倒という訳ではなさそうで、

「ご成婚など、皇族方の慶事の際には、すぐさま記念写真集を出版するのも朝日新聞。見事なダブル・スタンダードです」(同)

 そういえば、今月7日には、朝日新聞出版から、『美智子さま 和の着こなし』が発売されたばかり。

 なんと見事な、朝日さまの身のこなし!

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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