美女たちの「集団脱北」を招いた「北朝鮮レストラン」とは

韓国・北朝鮮週刊新潮 2016年4月21日号掲載

 異例の事態の出来(しゅったい)だ。

 韓国政府は8日、北朝鮮が海外で経営する“北朝鮮レストラン”の男性支配人1人と女性従業員12人が集団で脱走、韓国入りしたと発表したのだ。韓国政府は〈従業員1〜2名程度が個別に逃げ出した例はあるが、これほど集団的な脱北は初めて〉と説明、北朝鮮事情に詳しいジャーナリストも、

「“北朝鮮レストラン”で働けるのは身元の確かな家庭の子女で、思想の堅固な者ばかり。憧れの的なのです。しかも密告社会の北朝鮮では相互監視が当然。集団脱北はまさに異例です」

 亡命元は中国と見られているが、彼女たちはテレビやインターネットに触れて北の体制に疑問を抱き、韓国に憧れ亡命したという。

 だが、ちょっと待った。そもそも“北朝鮮レストラン”って、いったい何?

「北朝鮮が資金や情報を集めるため海外に出した店のことですよ。北の料理が出され、ステージでは美女たちが民族衣装で歌ったり踊ったり。客の話し相手にもなってくれます。12カ国に130店舗以上あり、中国に100店が存在するそうです」(同)

「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏も言う。

「北の郷土料理は韓国と違いますし、民族衣装も独特。北の人間と会話する機会などなかなかありませんから、現地人も韓国人も好奇心からよく訪れるんです。ただ、北への制裁強化で最近は客足が遠のき、韓国政府も利用自粛を勧告。本国に送金するノルマを店が果たせなくなり、今回のような事態につながったのでは」

 金正恩直属機関“39号室”は“北朝鮮レストラン”から年1000万ドル(約11億円)以上を得ているという。

 11日には軍の大物幹部の亡命も判明。脱北者が続出すれば、北の打撃は深甚だ。