「田中慶秋」元法相を怖い目にあわせた菩提寺の「墓苑トラブル」

社会週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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 これでは死者も浮かばれまい─―。横浜市の寺院で墓地移転をめぐるトラブルが発生し、3年にわたり墓参ができない状態だという。檀家には田中慶秋元法相(78)までおり、何と騒動の矢面に立たされているのだ。

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田中慶秋元法相(78)

 横浜市戸塚区にある臨済宗円覚寺派「燈明寺」は、建立600年超の歴史を誇る。ざっと400軒の檀家を抱えるこの古刹で目下、異常事態が展開されているのである。檀家の1人が言う。

「お寺は、区内の別の場所に広さ約3600平方メートルの墓苑を持っていました。十数年前、ここに国道『横浜環状南線』が通る計画が持ち上がり、6年前には国交省に土地を引き渡して移転することになったのです」

 移転先には複数の地主が混在し、寺は墓苑造成に向けて交渉。1ヘクタールに及ぶ敷地の大半を取得してきたのだが、

「その中で、2カ所の地権者が売り渡しに同意しませんでした。いずれもお寺の檀家さんですが、住職のやり方が一方的だとして拒んできたのです。ところがお寺は工事を進め、無断で彼らの土地に、斜面の崩壊を防ぐ『擁壁』を築いてしまいました」(同)

 自らの所有地を勝手に造成されてしまった地権者らは13年秋、寺を相手取って土地を返すよう求める訴訟を横浜地裁に起こした。

「昨年6月に下された判決では地権者が勝訴。寺は控訴したものの、結局12月初めに和解しました。その条件は『擁壁を収去して土地を明け渡す。期限は11月末まで』というものでした」(同)

 が、現実は“和解”にはほど遠かった。

■目の前でいきなり

 こうした諍いで墓苑建設が進まない状況を嘆いてきた田中元法相に聞くと、

「裁判の和解後、経緯の説明を寺に求めるべく、私が呼びかけて檀家集会を開きました。すると、住職の代わりに“寺の相談役”を名乗る男が現れ、『お墓はもうすぐ完成する』と言い張る。移転の補償費として国交省から支給された11億5000万円の使途も不明のままなので、『燈明寺墓地の1日も早い完成を考える檀家の会』の発起人代表として、私は意見を取りまとめて寺に手渡すことにしました」

 が、同じ頃、この相談役は“改革派檀家”を戸別訪問し、大声で詰問するなどの行為を繰り返したという。元法相自身も、

「脅されたなんてものじゃありません。1月11日に私が要望書を手渡しに寺を訪ねると、後からこの男が現れて『こんなもの無効だ』と、目の前でいきなり破り捨ててしまったのです」

 柔道五段の猛者をして、かような恐怖を覚えさせたというのだ。

「すべての土地取得を完了して検査を受けなければ、許認可権のある横浜市から開苑許可は下りない。私の両親や女房も眠る墓に、これではいつまでもお参りできません」(同)

 その寺側はこう反論する。

「相談役は暴力団でも何でもなく、立派な檀家さんです。土地の問題は片付いており、完成予定期日はまだ先。工事が遅れているわけではありません」(住職)

 で、“強面”の相談役も、

「慶秋さんらが私を『怖い』というのは、悪者にしたいからでしょう。要望書を破いたと言うけれど、私の悪口しか書いていなかったから丸めただけ。今はただ、宙に浮いている千の魂(遺骨)を救いたいだけです」

 さしもの元法相も、裁き切れないお相手のようだ。

「ワイド特集 春色の時限爆弾」より