「ヒラリー・クリントン」がなぜかUFO解明を口にした

国際週刊新潮 2016年2月4日号掲載

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 これはソース焼きそば業界や、ピンク・レディーファンの間での話ではない――。米国大統領選イヤーの今年、彼の地で話題になっているのはUFOにまつわる、ある発言だという。その発信ソース(源)は、民主党の有力候補、ヒラリー・クリントン氏(68)……。以下はトンデモ話などではなく、米国政界での実話である。皆さん、心のレディー(準備)はよろしいか。

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民主党の有力候補、ヒラリー・クリントン氏(68)

 大統領選一色に染まる2016年の米国政治。11月に行われる本選に向け、全米各地を舞台にした死闘が繰り広げられる。まずは2月に始まる民主、共和両党の予備選が皮切りとなるが、それに先立つ昨年末、ヒラリー氏はこう発言した。

「大統領になったら、UFOの真相を究明したい」

「(UFOが格納されていると噂される米軍施設)エリア51も調査したい」

「宇宙人は、もう地球に来ていると思う。よく分かっていないだけで」

 これを受けて、早速、「米国の矢追純一」とも称されるUFO活動家が、

「これまで、どんな大統領も候補者も、こうした発言をしたことがない。ヒラリーの発言は大したものだ」

 と、歓迎の意を表するなど、米国ではUFO談義に花が咲いている模様なのだ。

 ちなみに、本物の矢追純一氏(UFOに詳しいジャーナリスト・本人談)は、

「大統領候補がそんなことに言及するとは、何か裏で起きているのでしょうか」

 と、意外にも戸惑い、対する早稲田大学の大槻義彦名誉教授は、

「宇宙に関心を持たないより、持ったほうがいい。これを機に、ヒラリーさんには宇宙についてもっと勉強してほしい」

 と、これまた意外にも歓迎するのだった。

■「集合的無意識」

 兎(と)にも角(かく)にも、安倍総理がUFO解明に乗り出そうものなら、お腹の前に頭の検査をしたほうがいいと言われるのがオチだが、ヒラリー氏の発言の背景として、

「民主党の大統領候補の対抗馬であるバーニー・サンダースが、世論調査でヒラリーを猛追している」

 と、大統領選事情を挙げるのは、『ヒラリー・クリントン―運命の大統領』などの著者で、米国文化や政治に詳しい明治大学の越智道雄名誉教授だ。事実、ヒラリー氏は、かつて20ポイント以上離していたサンダース氏に、最近、10ポイント差まで肉薄されている。

「サンダースは急進左派で、良くも悪くも新自由主義的経済が浸透している今、労組を強化して富の再分配を行うのだと、言ってみれば1930年代の左派のような、実現が到底不可能な平等主義を振りかざしている。他方、共和党のドナルド・トランプも、『メキシコとの国境に万里の長城を築く』など、過激で荒唐無稽な発言をしています」(同)

 ところが目下の米国では、

「こうした現実離れした主張が支持されつつある。非現実的なものに熱狂する彼ら大衆の心理の裏にあるものを『集合的無意識』と言いますが、これはUFOの存在を信じる心理と重なります。弁護士であり、本来、インテリのヒラリーも、サンダースとトランプを支持する大衆、すなわちUFO信者層を邪険にしては選挙に勝てないのです」(同)

 サンダースとトランプ、左右の両極端の狭間(はざま)で、ヒラリー氏も「左往右往」?

「ワイド特集 禍福の立春大吉」より