“安倍首相も会員の「スパ」”“高級ホテル並みの「終の棲家」”“年50万円の「人間ドック」”〈日本の超高級品ガイド(3)〉

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 記者自らが見聞しトライしてお送りする、「日本の超高級ガイド」。が、実際は高級を名乗るだけのモノも? 第1回第2回で「2万円の緑茶」「5万円のいちご」、「10万円の梅干し」と“食”を紹介してきたが、今回のテーマは“健やかなる生活”である。

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「首相動静」にしばしば顔を出すのが、六本木のグランド ハイアット 東京内の「NAGOMI スパ アンド フィットネス」である。

■人脈形成の場

「入会金と保証金を合わせて300万円超。年会費は40万円弱」(関係者)

 今でこそ、入会金が500万円に達する「アマンクラブ東京」のような会員組織も生まれているが、

「NAGOMIの入会には」

 と、別の関係者が後を受ける。

「身元調査があり、カネがあっても会員として認められない場合がある。総数で200人前後と少ないですし、その分、各々の関係は深まります。毎年11月には、メンバーだけが集まる会合がホテルの上階で開かれる。勲章を受けた方、ビジネスの第一線で活躍する者とさまざまで、人脈形成の場として魅力的なのです」

 そればかりか、

「NAGOMIができたのは13年前ですが、いつでも綺麗なのには感心します。ダスト・シュート、要するにゴミ箱にゴミがたまっていたことがないし、洗面台に水滴がついていたこともない。清掃員が眼を光らせているせいでしょう。サウナにしたって、たいてい汗で黒ずむものですが、あそこは常に真っ新(さら)です」

■週に一度は鮨職人が来る

 続いて、終の棲家の超高級は世田谷・成城に鎮座する「サクラビア成城」。入居金は最低でも1億円、最高4億円を超え、毎月20万~30万円の管理運営費や光熱水費などが必要となるのだ。

 入口をくぐると、ホテル仕様のフロントの先にシャンデリアが映えるレストランが見える。全面ガラス張りの窓の前に広がるのは、錦鯉の泳ぐ日本庭園。

「一番の特長は、医療体制の充実だと思います」

 と語るのは、運営会社「プライムステージ」の高見澤浩介取締役だ。

「館内のクリニックは24時間365日体制で、人間ドックが年2回あります。ストレスなく生活を送られているからか、108歳の方もお住まいになっている。そして介護が必要になった際には、転居することなく、手厚い介護が受けられます」

 こうした面に加えて際立つのは、高級ホテル並みの設備だ。館内には、トレーニングルームやシアター、サロン、囲碁ルーム、ビリヤードルーム、図書室などが完備。先のレストランには30種類以上のメニューが常に用意されるうえ、週に一度は鮨職人がやってきて握ってくれるという。

■フレンチを楽しむ診察

 その一方で人間ドックも、健やかなる日々に欠かすことはできない。巷間、平均5万円前後とは言うものの、250万円を必要とする施設もある。入会金200万円に年会費50万円。これを支払って「セコム医療システム」の「会員制健康くらぶKENKO」へ入会すると、主治医による健康管理に加えて、年に一度、1泊2日の人間ドックを受けることができる。

 多臓器のがんを一度に調べるPET/CTだけでなく、肺がんにはマルチスライスCT、脳卒中にはMRIなど、最先端の医療機器を総動員して早期発見を目指すのは当然のことながら、

「人間ドックに来られた方は、近くのホテルニューオータニに食事付で宿泊できる。また、施設の上階には、三國清三シェフとコラボしたレストランがあり、診察に来た方はそちらでフレンチを楽しまれます」(室長の水上立英氏)

「特集 ムダに高いモノもある日本の超高級ガイド」より

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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