これまで飲んできたものはいったい何なのか――ワイングラスで飲む「2万円の緑茶」〈日本の超高級品ガイド(1)〉

ライフ週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

 昨日出て明日消える、ちゃちな高級ではないのである。傍観する者は必ず審(つまび)らかなりと俗に言うとおり、記者が見聞きし、トライした日本の超高級をガイドする。騙(かた)るばかりでムダに高いモノもあるなかで、響き渡るのは欲望の歯車が虚しくきしむ音か、はたまた。

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「神田のある秤屋の店」に奉公する小僧は、電車賃を浮かした小銭で鮨屋の暖簾をくぐるが、カネが足りず鮨を食べることができない。

 よく知られる志賀直哉の『小僧の神様』である。

 志賀と同じ19世紀、米国に生まれた詩人エミリー・ディキンソンの作品に、小僧の心の裡(うち)を言い当てているものがある。

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