「天皇陛下」侍従が職権でカットした「皇室しりとり動画」

社会週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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 芸人が裸体を晒(さら)し、どんな才能があるのか分からないタレントと称される人たちがバカ笑いを繰り広げる。年明けのテレビが、品の欠片(かけら)もない番組で埋め尽くされるようになって久しい。そんな中で、新年らしい凛(りん)とした空気を味わえる空間は限られている。残された数少ない「聖地」、皇居。しかし、その場においてさえ、ある「異変」を感じ、心中に穏やかならざる胸騒ぎを覚える者たちがいた。

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天皇皇后両陛下

 1月2日、皇居には8万2690人もの人々が一般参賀に駆け付けた。大都会・東京にあって、今の時代には貴重な、厳(おごそ)かな気分を味わえる一時である。

 午前10時10分から計5回にわたって行われた一般参賀で、陛下はその都度、聴衆に語りかけられた。用意した紙に目を落とされた陛下は、1回目のお言葉をこうお始めになった。

「穏やかな新春を迎えました。皆さんと共に新しい年を迎えることを誠に喜ばしく思います」

 2回目以降も「同様」だった。

「穏やかな新春を迎えました。皆さんと共に新しい年を祝うことを誠に喜ばしく思います」

 ところが、

「今年の一般参賀では、1回目と2回目以降のお言葉が、よく聞くと微妙に異なっていました」

 と、ある宮内庁関係者が解説する。確かに、先に紹介したお言葉を比べてみると、1回目が「新しい年を迎える」なのに対し、2回目は「新しい年を祝う」となっている。つまり、「同様」ではあったが「同じ」ではなかったのだ。

「お言葉は、陛下ご自身が練りに練って用意されます。そうして準備された紙を読み上げるわけですから、本来、基本的に一言一句同じものになります。しかし、今年は違った」(同)

 無論、些細なことではあるのだが、

「『週刊新潮』が報じたように、昨年末のお誕生日会見で陛下は15秒間ほど絶句され、また地名を読み間違えることもあった。それから間もない一般参賀でも、お言葉の『違い』が生じたので、我々の間では不安が募ったわけです」(同)

 しかも、お誕生日会見と一般参賀の合間には、ある「伏線」があった。

■「陛下の番で…」

 毎年、元日に天皇ご一家の写真と動画(音声なし)が公開されるが、これは事前に記者クラブ加盟社に配られることになっている。今年の動画には、両陛下と東宮ご一家、秋篠宮ご一家の計10方が、和(なご)やかにしりとりをなさっているご様子が映されていた。しかし、

「紀子さまから始まったしりとりの映像が突然カットされ、違う場面に変わっていたんです。これについて侍従次長に訊(き)くと、『3巡目に入り、陛下の番になったところで“ん”で終わる言葉を言われたため、しりとりが終了してしまった。したがって、私の職権で編集した。このことは報じないでほしい』旨の説明がなされたのです。このように、お誕生日会見、『しりとり事件』に続いての、一般参賀での一件だったので、より陛下の『異変』が印象付けられる格好となりました」(宮内庁担当記者)

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏の見解。

「天皇陛下は積極的にご冗談を言ったりする方ではありませんから、しりとりを終わらせたのも、ご一家の笑いを誘うために『わざと』ということではなかったと思われます。うっかりミスでしょう。しかし、82歳ですから別に不思議なことではない。それを、『報じないでほしい』と釘を刺す宮内庁の姿勢こそ問題です。結果、憶測を呼ぶことになった。今後、宮内庁がどんな情報操作をするのかが懸念されます」

 天皇陛下も望まれているであろう「開かれた皇室」を、「取り巻き」はどこまで理解できているのか──。過剰な忖度(そんたく)によって、申(さる)年の皇室で「見ざる、言わざる」が横行することがあってはなるまい。

「ワイド特集 剣が峰にて一陽来復」より