天皇陛下はどんなものを食べているのか? 「チャーハン」や「ふりかけご飯」

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 食べることは生きること。いわば食は命の素である。多くの人にとって食事は大きな関心事だろう。では、天皇の食事はどうなっているのだろうか。調べてみたら、知らないことだらけで驚いた。

「昭和天皇の朝食は1年中洋食でした」

 と言うのは、『天皇陛下の私生活 1945年の昭和天皇』の著者、米窪明美さんだ。

「具体的には、オートミール、パン、野菜料理、サラダ、果物、煮冷水(湯冷まし)、お茶、牛乳を毎朝食べていたんです。オートミールは大麦を使った西洋風のおかゆのようなもので、戦後はコンフレークのこともありました。牛乳や甘みを足して天皇好みの味に仕上げるのは皇后の役目です」

 風変わりな習慣もあった。

「ピーナッツか銀杏の炒ったものを3粒だけ食べる、というのが昭和天皇の毎朝の習慣でした。ピーナッツは皮をむき、バターで炒めて軽く塩をふります。銀杏は殻からだして皮付きのまま焼き、その後皮をむいて軽く塩をふるのです」(米窪さん)

 朝食は8時、昼食は12時、夕食は18時で1年中変わることがない。昼食が洋食であれば夕食は和食、昼食が和食なら夕食は洋食と決まっていた。

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ウナギ以外の好物は

 食べ物の好き嫌いを言わなかった天皇が、ふと好みを口にしたことがある。昭和62年(1987年)10月3日、前月に十二指腸部の腺癌の手術を受けた天皇は、昼食として出された平目のムニエルに全く食欲を示さなかった。そこで医師団が食べたいものを尋ねたところ、イワシやサンマだというではないか。

「本来、イワシやサンマ、サバのような大衆魚は皇室の食卓にのぼらなかったのですが、戦時中に物資が手に入らず、天皇がヤミで物を買うのを禁じたために、献立の常連となったのです。天皇はそれらをとても気に入っていました」

 米窪さんが解説してくれる。

「昭和天皇のウナギ好きはよく知られていますが、宮内庁大膳課に勤めた渡辺誠さんによれば、昭和59年にウナギの蒲焼を食べた回数は22回、それに対してサバの味噌煮も12回ありました。麦入りごはんで山かけを食べるのも好きだったようです。ただ、基本的にお刺身は少ないんです。特に地方への行幸啓に出かける前は、行事に支障をきたしてはいけないので、なまものは外されました」

困ったときの「ふりかけご飯」

 繰り返すが、天皇は基本的に好みを言わない。だから料理人は天皇の食べっぷりから好みを推し量るほかない。

「渡辺さんによれば、リンゴはシャキシャキよりもふかふかが好きで、サツマイモは黄色いホクホクより白っぽいベチャ芋がお好きだったそうです。また、稚鮎を塩焼きにして骨をとらずに頭から食べたり、鮎の内臓を塩漬けしたウルカをご飯に混ぜてよく食べていたとか。そこだけみるとお酒もいけそうに思えますが、お酒はまったく飲めませんでした」(米窪さん)

 一方、苦手なのは酸っぱい味付け。洋食にレモンをつけても使わなかった。しょっぱいもの、辛いものも苦手だった。食が進まないときは、ふりかけをかけて食べたという。

 チャーハン、餃子、春巻、酢豚、シューマイといったお馴染みの中華料理も食卓に並んだ。さらに米は市中の米屋さんから普通の米を買い、押し麦を混ぜ、水道水を使って炊いたというから、なんだか親しみがわくではないか。

デイリー新潮編集部

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