【「田中角栄」追憶の証言者】ロッキード逮捕後の初インタビュー秘録――佐藤修(モンゴル日刊紙東京特派員)
金脈問題を追及されて退陣した角栄は、1981年1月10日発売の「文藝春秋」に“六年間の沈黙を破って”登場する。だが、これは看板に偽りありだ。実は、ロッキード事件での逮捕後、初の肉声を掲載したのは、遠くブラジルの日系人向け新聞だった。取材した佐藤修氏(70)が秘話を明かす。
***
取材当日、私が総理復帰の可能性についてしつこく食い下がると、角さんは「わかった、わかった」と言って、こう続けたのです。
「やってできないことはないと思いますよ。しかし、人間には分がある。...
つづきを読む