血圧が下がって美容にもいい1日15分の「血管マッサージ」――明田昌三(医学博士・榊原温泉病院名誉院長)

ドクター新潮 健康 整体

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■シワやほうれい線まで

 前述した通り、血管マッサージは高血圧や脳卒中のリハビリに止まらず、美容や老化防止にも有効です。それに関わる部位についてもお話ししましょう。

 エステなどで顔のマッサージを受けたことのある女性は多いでしょう。これは非常に理にかなった施術といえます。顔に刺激を与えることで細胞の動きが活発になり、老廃物をどんどん出してくれるからです。

 まずは目元のマッサージ(図4)。目を囲むようにして「眼輪筋」がありますが、ここを揉んだりこすったりしてやると目元に張りが表れ、ぱっちりとした目になります。また両手を使って頬に円を描くように揉み込んだり、口元を指の腹でこね回すと、シワやほうれい線の除去にも効果が望めます。「きれいな肌」とはすなわち、毛細血管に酸素と栄養が行き届いている状態を指すのです。

 続いて耳です(図5)。鼓膜を動かすようなイメージとともに、上部、中部、下部をそれぞれ横にぎゅっと引っ張ってください。妹尾先生はこれで「耳鳴りが治った」と話されていました。

 頭部については、頭頂部と側頭部で筋肉のつき方が異なります。頭頂部には薄くしかついていないため、十分に血液が流れないと毛根に栄養が行き届かず薄毛になってしまいます。若い時から、指の腹で皮膚と骨とをこすり合わせるように揉み込むことで、早期の薄毛、白髪は予防できます。禿げには遺伝的な要因もありますが、遅らせることは十分可能です。また、こめかみの辺りには側頭動脈が流れていますので、痛いくらい強めにギュッと押せば有効です(図6)。

 一方で首の側面は要注意です。皮膚の表面近くを頸動脈が流れており、刺激が強すぎるのです。動脈硬化の進んだ人がマッサージをすると血管壁の付着物が流れて塞栓となり、かえって脳梗塞を引き起こす危険が生じてしまいます。

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