あれれーっ? 「週刊文春」が批判する「深見東州」の広告を載せちゃった!?

社会週刊新潮 2015年9月3号掲載

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 あらゆるものが夏の終わりを告げる。空にはいわし雲、海にはクラゲ、「週刊文春」には妙ちくりんな広告……。ん? 同誌の8月27日号には、宗教団体「ワールドメイト」の深見東州代表(64)が主催するコンサートの広告が掲載された。でも、深見氏って文春が批判していた相手じゃなかった?

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問題の広告と掲載号

 それは8月26日に東京国際フォーラムで行われた「第4回東京国際コンサート プラシド・ドミンゴと、深見東州となかまたち!!」を宣伝するものだった。広告主は深見氏が代表を務める「たちばな出版」である。

「テノールの枠を超えた、生けるレジェンドである」「オペラの王」、「音楽界における真のルネッサンスマン」、「『現代の最も偉大なオペラ芸術家』として、賞賛を受け活動している」

 と、ドミンゴを持ち上げつつ、深見氏については、

「新国立劇場オペラパレスで、世界の歌姫ルネ・フレミングやホセ・カレーラスと共演し、大好評を博す。ジャンルを超えたボーダーレス歌手としても知られる。オペラ歌手、シンガーソングライター、ロック歌手、ジャズ歌手でもある」

 世界的なオペラ歌手と肩を並べるか、それ以上の歌手と言わんばかり。こんな深見氏の“個人広告”を文春が掲載したのである。

 というのも、文春は、今年4月に「下村博文文科大臣 オカルト人脈と金脈」という大特集を組んだばかり。下村大臣に政治献金を行う深見氏を「怪人」「派手な新聞広告を打つ謎の人物」と断じて批判していたのだ。両社の因縁はこれに留まらない。今をさかのぼること17年の1998年にはワールドメイト内のセクハラ問題を追及。ワールドメイトは名誉毀損で文春を提訴するという法的手段で応じ、バトルの舞台は法廷にまで持ち込まれたのである(文春が勝訴)。

 それが何故、広告を載せたのか。文藝春秋の規定では、先の広告料金は185万円という。

■社会的役割の放棄

「見た瞬間は驚きました」

 と、先の4月の文春の記事で深見氏に批判的なコメントを寄せた、新興宗教の問題に詳しい紀藤正樹弁護士も戸惑いを隠さない。

「文春はワールドメイトや深見氏を“もはや問題ない”“問題はあるが良しとする”と判断したのでしょうか。もしそうなら彼らの軍門に降(くだ)ったわけで、ジャーナリズムの気概はどうしたのでしょうか」

 メディアの問題に詳しい、上智大学文学部の田島泰彦教授はさらに手厳しい。

「週刊誌には大手メディアが代弁できない国民の意見や態度をフォローするという重要な役割がある。その一つが政治家や宗教団体の不正や疑惑に切り込む姿勢です。週刊文春がきちんと調べもせずにこの広告を受け入れたのなら、社会的な役割を自ら放棄したことになる。非常に残念ですね」

 文春に、ワールドメイトと和解をしたとの指摘があることを尋ねると、法務・広報部が対応。

「広告掲載の過程については小社の基準によるもので公開していません。また、貴誌の指摘は事実無根で憶測に過ぎません」

 あくまで頬かむりを決め込むご様子なのだ。

「ワイド特集 晩夏のサバイバー」より