夏休みは海賊王になろう! 旅行ライターが明かす絶景旅行ガイド 四国編

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 旅行ライターの高田京子氏がオススメする「気軽に行ける秘境」ガイド。北海道、本州北部、静岡編に続いて、今回は四国編。あのベストセラーの主人公になった気分を味わえる、体感型の絶景を紹介してもらおう。

■『村上海賊の娘』を体感

 ここまでは「絶景眺望」ポイントを紹介してきたが、眺めるだけでは物足りず、よりアクティブに「絶景体感」を希望するという人は、四国に足を延ばすのはどうだろうか。スピード感とスリルをたっぷり体感できる絶景が、愛媛県今治市、瀬戸内海の大島から出航する「潮流体験」[写真(1)]だ。

[写真(1)]潮流体験(愛媛県)

芸予(げいよ)諸島周辺の海域は潮の流れが速く、古くから瀬戸内の難所として知られる。戦国時代にこの海域に君臨したのが村上水軍だ。2014年の本屋大賞受賞作『村上海賊の娘』(新潮社刊)の舞台でもある。

 天然の要塞と言われ、水軍が拠点を置いたのがこの海域にある能島(のしま)。周辺の宮窪瀬戸と呼ばれる海は、最大で速さ10ノット(時速約18キロ)の潮流が発生し、激しく渦を巻く。

「潮流体験」は、中学生以上が1000円で所要40分。大島の村上水軍博物館前から乗船、能島城跡、伯方(はかた)島と鵜島に挟まれた幅300メートルの船折瀬戸、水軍の狼煙(のろし)台があった見近島などを見学後、再び能島の西を回って戻るコースだ。

「船の運航は、1時間間隔。想像以上に激しく渦巻く海を見て、みなさん驚かれますよ。季節や時間によって潮の状況は異なるので、詳しくはお問い合わせください」(物産館兼魚食レストラン「能島水軍」)

 地元の漁協が運営するレストラン能島水軍の名物は七輪海鮮バーベキュー、1500円。レストランを利用すると「潮流体験」の料金が1割引になるという。

 出発地の村上水軍博物館まで、車の場合は瀬戸内しまなみ海道大島北ICから約5分、公共交通機関の場合は、広島または福山から高速乗合バス「しまなみライナー」を利用し、大島バス停で大島島内バスに乗り換えて村上水軍博物館下車となる。

 旅行ライター 高田京子

週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号掲載

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