あなたも間違っている!? GW前に絶対知っておきたい「天気予報」に潜む3つのワナ

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「あした天気になあれ!」

 GWが近づいてきて、気になってくるのがお天気だ。神さま、仏さま!雲一つない晴れ模様じゃなくてもいいから、せめて雨は避けてください――。

 都内在住、社会人2年目のSくんも、そんな願いを空に祈る一人だ。Sくんは付き合って4カ月の彼女がいる。会社の人たちには内緒にしているが、同期のAさんである。入社式の時に一目惚れしたSさんは、10カ月ほどかけて彼女を口説き落とし、めでたくお付き合いの運びとなった。GWは2人で過ごす、初めての長い連休となる。Sくんは張り切って2泊3日の沖縄旅行の予約。Aさんの水着姿に思いを馳せてはほくそ笑む日々を送っていた。

 GW直前になり、天気が気になったSくんは、天気予報を覗いた。すると、初日は晴れ、2日目は曇時々雨、3日目は昼過ぎまで雨のち晴れ、とのことらしい。うーむ、微妙である。

 でも、初日は晴れるみたいだし、3日目も昼過ぎには晴れるっぽいし、2日目も時々雨ってぐらいだからそんな長いこと降らないだろうし大丈夫だろうと思っていた。が、結局SくんはAさんの水着姿を拝むことも、快適に観光することも出来なかったのである。残念。

■どこまでが「晴れ」?

 さてなぜそんな残念なことになってしまったのか。理由は簡単、Sくんが「天気予報」の定義を知らなかったからである。『不適切な日本語』(梶原しげる・著)によれば、Sくんの判断には3つの間違いが潜んでいる

 間違いその1。空港に降り立った2人の面前に広がったのは雲一つない晴天の空と青い海……ではなく、そこそこの曇り空であった。一般に「晴れ」と聞くと、雲一つない青空というイメージだが、それは「快晴」。正しい「晴れ」の定義は、雲量2割~8割のことを言う。そんなことも知らず、雲一つない青空のもと海に入れると思い込んでいたSくんは、「明後日の昼過ぎには晴れるみたいだから、海は明後日にしよう」と提案してしまった。

 間違いその2。もともと「時々雨」という予報だったこともあり、この日は観光に当てようと思っていた2日目にも罠が潜んでいた。天気予報の定義で「時々」とは「現象」が断続的に起こり、その現象の発現時間の合計時間が予報期間の2分の1未満の時である。つまり最長で24時間の半分=12時間も雨が降るという予報なのだ。結果2人は、ほとんどの時間を雨に降られながら観光する羽目になった。

■天気予報の「昼過ぎ」とは何時から何時まで?

 間違いその3。いよいよ3日目である。東京へのフライト時間は17時。15時にはホテルを出ないといけないが、昼過ぎから晴れるという天気予報を信じ、1時間でもいいから海に入って帰ろう!と楽しみにしていた。しかし雨は昼を過ぎても一向に止まない。曇る2人の顔……というのも実はここにも勘違いが潜んでいたのである。「昼過ぎ」と聞くと、正午を越えたらと思いがちだが、実際の定義では「正午~午後3時」なのである。結局、彼らがホテルを出る時間まで雨は止まなかった。

 Sくんに大きな非はない。しかし人生にはこんなちょっとした間違いで、大損をしてしまうことがある。「不適切な日本語」には用心したほうがよい、と同書は教えてくれているのだ。

デイリー新潮編集部

2017年4月26日掲載

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