女児監禁から考える 夏休みの子どもを犯罪から守るには「不審者」ではなく「景色」に注目

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防犯ブザーは意外と役に立たない

 ちなみに、こどもを守る防犯用品の定番といえば、小学生のほとんどがランドセルからぶらさげている防犯ブザーです。しかし、犯罪者にだまされてついていくこどもが防犯ブザーを鳴らすことはまずありません。

 倉敷の事件では、被害者は刃物で脅され車に連れ込まれたそうですが、このようなケースでは、こどもは恐怖で身体がすくんでしまいます。そのため、大声で助けを求めることも、走って逃げることも、防犯ブザーを鳴らすこともできないと思ったほうがいいそうです。

 また、「人通りの多い道は安全」というのも誤解だと、小宮教授は言います。なぜなら、人の多い場所には犯罪者も紛れ込むし、人通りはいつか途切れるからです。

 人通りの多い道から尾行していって、人通りのない道に入った途端に犯行に及ぶというケースも多いのだそう。

景色読解力を身につけさせよう

 いくら本人が気をつけていたとしても、その努力には限度があります。人は、絶えず注意し続けることはできないからです。

 だからこそ、安全な景色と危険な景色を見分けられる「景色読解力」を身につけさせる必要があります。この能力があれば、危険な場所で注意力を高めるようになるのです。

 犯罪被害を本人や周囲の不注意のせいにする風潮がありますが、小宮教授は「事件や事故を不注意として片付けても何にもならない」と警鐘を鳴らします。

 こどもだけで行動する機会も多い夏休み、犯罪の機会はいたるところに蔓延しています。親としては頭を抱えたくなりますが、犯罪の危険性がつねにある以上、できるだけのことをするしかありません。

 こどもを一人にしないということも、ひとつの解決策だとか。ただ、いつも親などの大人が一緒にいられるわけではありません。

「こどもを絶体絶命の場面に追い込まないためには、こどもの景色解読力を高めて、たとえ一人でいても事前に危険を回避できるようにすることが、唯一の現実的な方法なのである」と、小宮教授は強調しています。

デイリー新潮編集部

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