児童文学のノーベル賞! 国際アンデルセン賞に輝いた上橋菜穂子さん

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精霊の守り人』『獣の奏者』など数々のファンタジー作品で知られる作家の上橋菜穂子さん(51)が24日、国際アンデルセン賞の作家賞に選ばれました。これは、「児童文学のノーベル賞」と言われる権威ある賞です。児童文学に長年貢献してきた作家に贈られるもので、作家賞と画家賞があります。作家賞受賞は、日本人としては1994年のまど・みちおさん以来20年ぶり二人目となります。

 文化人類学者としても活躍する上橋さんは、多様な価値観、文化を持った人々が葛藤しながら生きる姿を描き、その普遍性のあるテーマが国際的に評価され、今回の受賞に至りました。

■代表作「守り人」シリーズって?

 上橋さんの代表作「守(も)り人」シリーズは、30歳の女用心棒バルサと、重い運命を背負った皇子チャグムを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いた異世界ファンタジーシリーズです。偕成社と新潮文庫から刊行されています。

 第一弾の『精霊の守り人』は野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、バチェルダー賞を受賞。第二弾『闇の守り人』は日本児童文学者協会賞、第三弾『夢の守り人』は路傍の石文学賞、第五弾『神の守り人』は小学館児童出版文化賞 、そして2002年には「守り人」シリーズで巖谷小波文芸賞と、多数の受賞歴を誇ります。

『精霊の守り人』は、女用心棒バルサが幼い皇子を魔物から守るため体を張って闘い続ける物語。痛快な冒険譚ながら建国神話の秘密、先住民の伝承など、人類学的な見地に基づく緻密な世界構築が評判です。その壮大で精緻な世界観にファンは多く、1996年の刊行以来20年近くにわたるロングセラーとなっています。

 同シリーズはアニメ、ラジオドラマ、漫画化もされ幅広い世代に愛されています。また英語、フランス語、スペイン語などに翻訳され 、世界中でも読み継がれています。

 上橋さんの作品は児童文学として高く評価されるとともに、大人たちの心にも深く響く物語です。日本が誇るファンタジー文学の金字塔「守り人」シリーズ、この機会にお手に取ってみてはいかがでしょう。

デイリー新潮編集部