2015年本屋大賞は上橋菜穂子さん『鹿の王』に決定! 来春には綾瀬はるか主演で『精霊の守り人』がドラマ化

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 全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ「本屋大賞」が本日発表となった。栄えある2015年本屋大賞の第1位(大賞受賞作)は、『鹿の王』(上橋菜穂子・著 KADOKAWA/角川書店刊)に決定した。
「本屋大賞」は、書店員が自分で読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票する。対象作品は、2013年12月1日から2014年11月30日の間に刊行された日本のオリジナル小説。大賞作は毎年、読者の高い関心を集めており一昨年度大賞の『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹・著)、昨年度大賞の『村上海賊の娘』(和田竜・著)は共に100万部を突破している。

 今回大賞に選ばれた上橋菜穂子さん(52)は『精霊の守り人』『獣の奏者』など数々の作品で知られる日本ファンタジー界を代表する作家。2014年には児童文学のノーベル賞とも言われる、国際アンデルセン賞も授賞した。文化人類学者としても活躍する上橋さんは、多様な価値観、文化を持った人々が葛藤しながら生きる姿を描き、その普遍性のあるテーマが国際的にも評価されている。

■『鹿の王』とは

『鹿の王』は異世界を舞台にしたファンタジー。強大な帝国を相手に戦う戦士ヴァンと、謎の病の蔓延を防ぐために奔走する医術師ホッサル、二人の男を中心に物語は展開する。広がる謎の病と国家間の争いを前に、人間とはなにか、親子とはなにか、社会とはなにか、など異世界を舞台にしながらも、普遍的な問いが投げかけられ、読者の共感を呼んでいる。そこが書店員からも支持された理由だろう。本作は日本医師会が主催する「日本医療小説大賞」も3月に受賞しており、医学と疫学の知識に裏打ちされた生命の本質に迫る姿勢が話題となっている。

■代表作「守り人」シリーズは綾瀬はるかさん主演でドラマ化も

 上橋さんの代表作「守(も)り人」シリーズも話題だ。こちらは30歳の女用心棒と運命を背負った幼い皇子を主人公に、人の世界と精霊の世界を描いた作品。シリーズは『精霊の守り人』からはじまる全7作と短編集2作で構成され、単行本は偕成社、文庫は新潮社より刊行されている。2016年春から三年をかけNHKで実写ドラマ化も決まっている。主人公を演じるのは女優の綾瀬はるかさん。来年の大河ファンタジー公開を機に訪れると思われていた上橋菜穂子Yearが1年前倒しで到来した。

デイリー新潮編集部

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