金メダリストを支えてきたトレーナーが明かす「肩凝り」「腰痛」解消法 すぐに効果を実感できる「ふるふる体操」とは?

ドクター新潮 ライフ

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「肩が軽過ぎて、回したときに、後ろに倒れそうに」

腕ふるふる体操

[やり方] 左腕をだらりと伸ばして、二の腕の真ん中あたりを、右の手のひら全体を使ってがっちりとつかむ。右手が動かないように固定して、左腕の手首をでんでん太鼓のように、10秒間ぶるぶる回す。遠心力を使ってできるだけスピーディに。次に、右手でつかむ位置を少し上の「肩の近く」へずらして10秒、今度は少し下へずらして10秒。片腕あたり計30秒ほどぶるぶる腕を揺さぶる。終わったら反対の腕も同じように行う。

[解説] 肩をうまくほぐすコツは、二の腕のお肉がグイッと持ち上がるくらい、強めの力加減でつかむこと。その状態で手首を回せば、長年凝り固まってきた“骨と筋肉の癒着”がほぐせます。この“癒着”こそが、肩凝りが再発する原因なのです。また、上腕には肩凝りや巻き肩の原因になる大胸筋や小胸筋の付け根があり、そこを刺激するのでほぐせます。

「ヨコに揺らす?」と半信半疑だった方も多いと思いますが、試してみていかがでしょうか。

 じつは以前、この効果を鮮やかに証明してくれた“事件”がありました。NHK「あさイチ」に出演して「腕ふるふる体操」を出演者の皆さんに実践していただいたときのこと。あまりに肩が軽くなって驚いたキャスターの博多大吉さんが、「肩が軽くなり過ぎて、腕を回したときに、反動で後ろに倒れそうになった」と漏らされたのです。実際、反響が大きかったのか、翌朝の「あさイチ」にも急遽(きゅうきょ)出演が決まり、再び「腕ふるふる体操」をご紹介することに。予定になかった連日の出演は、私自身も大変驚いた“事件”でした。

「タテ方向」だけではだめ

 少しだけ専門的な話をさせてください。そもそも筋肉は筋線維束という、細長い「筋線維」(筋細胞)が多く集まった束から構成されています。また筋線維の中には、それよりも細い筋原線維がみっしり詰まっています。筋原線維の太さは約1マイクロメートルで、髪の毛のおよそ100分の1という極細の線維。マトリョーシカ人形ではありませんが、線維の束の中に、さらに細い線維の束が無数に集まっているのが筋肉というわけです。

 線維と聞くと「糸のようなもの?」と思ってしまいますが、なんとこの細さでも収縮する器官なのです。そのような筋原線維が大量に集まって同時に動くと、非常に大きなパワーが発揮されます。そうやって私たちは日々、散歩したり、荷物を持ったりできているわけです。

 ところで、この筋線維は全て“タテ方向”に走っています。勤続疲労によって炎症や張り、凝りが生じると、肩凝りや腰痛といった痛みになって表面化します。それをストレッチのように筋線維と同じ“タテ方向”に曲げ伸ばしするだけでは、張りや凝りを取り除き切れません。“ヨコ方向”はもちろん、さまざまな角度から刺激を与えてあげるとよいのです。

 それはまるで錆びついたネジを回すようなもの。一方向だけからグイグイ強引に力を入れてもなかなかネジは動いてくれません。いろんな角度から小さな力でコンコンとたたいてネジを動かしやすくするように、筋肉についた錆のような張りも、少しずつコンコンと落としていくのです。

 さて、小難しい話はこれくらいにして、日常生活で役立つ「ふるふる体操」をいくつかご紹介していきましょう。ちなみに皆さんは今、本稿をどんな姿勢で読んでいますか? 多くの方が座りながら読んでいるはず。じつは日本人は 「世界一座りっ放しの国民」だというオーストラリアの研究機関が発表したデータもあるくらい、座っている時間が長いのです。そうなると筋線維の奥が凝り固まって、腰痛や股関節痛、ひざ痛に悩む人が多くなるのも必定でしょう。そんな方には次の三つの「ふるふる体操」が役立ちます。お腹、お尻、下半身にこびりついた錆を除去して、体をリフレッシュさせてくれます。

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