【ロシアの邦人記者拘束】「日本で活動するロシアスパイは約80名」元警視庁公安部捜査員が明かす「生々しい工作活動」

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日本国内に総勢80名程度

 警視庁公安部が手掛けた事件だけでも枚挙にいとまがない。15年12月、ロシア人スパイと共謀して元部下に内部資料の持ち出しを唆したとして陸上自衛隊の元幹部が自衛隊法違反容疑で書類送検され、08年8月には、失踪した日本人になりすましたとして、ロシア人スパイが旅券法違反容疑で書類送検。

 00年9月の「ボガチョンコフ事件」では、海上自衛隊の内部資料を漏らしたとして、海自3佐が自衛隊法違反の疑いで逮捕されている。“スパイ天国”と呼ばれる象徴的な事件である。

 勝丸氏によると、ロシア側の工作活動には二つのパターンがあるという。

「あらかじめ、ピンポイントで“標的”を定め、時間をかけてその人物に関する情報や行動を調べ上げる。そのうえで偶然を装って接触するのです。もう一つは、セミナーなどの会合で多くの人と名刺交換をしたなかから標的を絞り込む、投網のようなケースです。いずれも、ウクライナやイタリアなどのビジネスマンだと名乗り、近づくのが常套手段です」

 この手段でスパイ活動を行うロシアの諜報機関は三つ。KGBからの流れを汲む対外情報庁(SVR)と、このたび道新記者を拘束したFSB、そして軍直轄の独立情報機関である軍参謀本部情報総局(GRU)だ。

「これらの組織で活動しているロシア人は、日本国内に少なくとも80名ほどはいるとされます。こうしたスパイたちが、身分を外国人ビジネスマンと偽り、国内のあらゆるところに潜んでいる。そして日本人を運用し、軍事情報や民間企業の情報を虎視眈々と狙っているのです」

 メディア関係者も、ロシアの諜報機関にスパイのツールとして使われているといい、

「記者が取材する際、諜報機関が知りたい情報を質問させるのです。政府関係者や捜査機関、民間企業など、あらゆる先が対象となっている。スパイ活動は、こうした情報収集活動に加え、あらかじめ目的を定めた“ピンポイントの狙い撃ち”と、大勢のなかから選ぶ“投網方式”をメインに行われています。スパイ防止法ができれば、抑止力にはつながると思います。スパイ活動の根絶は難しいが、唆しを確認すれば逮捕できるようになりますから」

 スパイ防止法が未成立のいま、日本に今井記者と交換できる「人質」はいない。政府には、即時帰国をお願いするだけではない対策を求めたい。

デイリー新潮編集部

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