被害者は「年末まで生きられない」と怯え…【河口湖台湾人女性殺害】保険金殺人の疑いで夫逮捕 次々と浮かぶ新たな謎と憶測
首を切られて失血死
10月19日朝、河口湖のホテルの一室で台湾人女性の遺体が見つかった。被害者は台湾からの日本ツアーに参加していた井雲蓉(ジン・ユンロン)さん(38)。頸動脈に達する傷を負っての失血死である。通報を受けた山梨県警は、血の付いた包丁を持って同じ部屋にいた楊閔涵(ヤン・ミンハン)容疑者(27)を現行犯逮捕した。
【写真】台湾で報道合戦 被害者女性が台湾新幹線ホーム「転落事故」で救出される様子も
楊容疑者は刃物所持の事実を認め、銃刀法違反の疑いで21日に送検された。事件発覚直後は、ツアー参加者同士として知り合って意気投合し、部屋で話をしていたと当初は報じられたが、いくつかの疑問が浮かぶ。なぜ来日後すぐに包丁を購入し、出会って間もない相手の首を狙ったのか。なぜ現場に争った形跡がないのか――。
日台で大きく報道されたものの、どこか謎めいているこの事件。27日、台南地方検察署(台南地検)はその恐るべき背景を明らかにした。事件後に逮捕された井さんの夫(29)の容疑に「殺人の共謀」と「保険金詐取未遂」、すなわち保険金殺人が含まれていたのだ。
総額1億5000万円の旅行保険
現地に詳しいジャーナリストはいう。
「夫の李碩彬(リ・シュオビン)にかけられた容疑は、殺人の共謀、保険金詐取未遂、偽装結婚における公正証書原本不実記載の3つ。井さんの事件を受けて夫と義母が日本にいた22日、地検は刑事局国際科からの報告を受けて捜査班を設置しました。24日に高雄空港へ戻った夫の身柄をその場で押さえ、26日に接見禁止付きの勾留が決定したという流れです」
捜査班は、井さんに1000万台湾ドル(約5000万円)と2000万台湾ドル(約1億円)の旅行保険がかけられていたことをつかんでいる。だが、保険金殺人の疑いは、当局発表前の26日夜から注目されていたという。
「台湾メディア『鏡週刊』が、同メディアの記者が井さんから連絡を受け、身に危険が迫っていることを聞いたと報じたのです。そして、27日の当局発表後から報道合戦が始まりました。その内容によれば、母親と2人暮らしで生活が苦しかった井さんは、2026年5月から夫が経営する会社のアルバイトとなり、夫から持ち掛けられた結婚を了承。産んだ子が息子なら400万元(約2000万円)、娘なら500万元(約2500万円)が夫から支払われる約束もあったといいます」
[1/2ページ]


