被害者は「年末まで生きられない」と怯え…【河口湖台湾人女性殺害】保険金殺人の疑いで夫逮捕 次々と浮かぶ新たな謎と憶測

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転落事故と記者への相談電話

 7月に婚姻届を出し、別居の夫婦になると、井さんに対する夫の言動が不穏なものになっていった。

「自身が『マネーロンダリングに関与した過去』を外部に漏らさないようと、井さんに担保となる手形へのサインを強要したこと、将来の子供のためと傷害保険にかけ、その保険料を一括払いして『手か足を1本失う気はないか』と尋ねたことなど、夫の“黒さ”を匂わせる記事は多いですね。公的な記録で確認できるのは、9月21日に井さんが台湾新幹線の台南駅で線路に落ちた一件。ホームに列車が入る直前だったため、井さんはホーム下の退避スペースに入って九死に一生を得ています」

 防犯カメラ映像などにより、誰かに押されたのではなく自分で落ちた事故とされた。だが、すでに身の危険を感じていた井さんは、友人に「夫の呪い」と話したという。

「その時の井さんは夫が手配した日本旅行のため空港に向かう途中でしたが、転落事故で旅行はキャンセルに。友人は怯えていた井さんに『鏡週刊』の記者を紹介しました。井さんは記者との電話で『年末まで生きられない』と訴え、警察への通報などを勧められましたが、『考えてみる』と返事したそうです。そして10月、井さんは再び夫の手配で日本へ旅立ち、河口湖で命を落としました。ただし、出発前の井さんは日本には夫がいないから安全と考えており、むしろ夫が手配していた帰宅時の送迎車に怯えていたという話もあります」

夫に性犯罪や傷害などの前科

 事件発覚当初、楊容疑者も別口で申し込んだ同じツアー客と伝えられたが、

「旅行会社に問い合わせた台湾メディアは、楊容疑者はパスポートを忘れたため、後から自分で航空券を購入し、日本でツアーに合流したと報じました。井さんが友人にメッセージで、18日から楊容疑者が加わったことを伝えていたという報道もあります」

 一方、井さんはツアー一行として17日夜に成田空港から入国。18日は観光バスで富士山周辺を回った。事件の発覚は翌日の朝である。

「夫と楊容疑者が交際していた疑惑がある一方、楊容疑者も9月から井さんのように夫の会社で働き始めたという話もあります。捜査班は2人が接触した記録をつかんだという発表に留め、交際の有無には触れていません。ただし、夫に性犯罪や傷害などの前科があり、SNSで女性に近づく手口を繰り返していたことを把握しているとの話もあります。他に被害者がいる可能性を踏まえ、夫の周辺で不審死や事故に遭った人物の家族・知人に情報提供を呼び掛けているようです」

ますます深まる謎

 現在も台湾では、夫に関する取材記事が次々と配信されている。捜査における“次の展開”があることはほぼ確実だ。

「夫が容疑を否認しているため、日本で送検された楊容疑者の証言は重要なカギとなるでしょう。台湾当局は日本の警察に協力を仰ぐ方針を示しています」

 仮に楊容疑者が夫と共謀していたとしても、なぜ即逮捕されるような場所とタイミングでの刺殺を選んだのか。現場に争った形跡がなく、楊容疑者の手首に切り傷があったのはなぜか――。またしても浮かぶ疑問は、夫以外にも事件に関与した人物がいるのではという憶測まで生んでいる。