「綾瀬はるか」主演映画がまさかの大苦戦 「川口春奈」の主演作はヒット中…トップ女優が直面する“作品選び”の難しさ
なぜ、不振なのか
綾瀬はるか(41)の主演映画「ファーストボイス」が苦戦を続けている。公開第1週(10月2~4日)から第4週(10月23~25日)まで、週末の興行収入ランキングでトップ10に入れない。大看板の綾瀬の話だから、異変である。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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「ファーストボイス」は10月2日に公開された。累計興行収入を見ると、公開3週目までで約1億3632万円である。
日本映画の場合、ヒット作と呼ばれる1つの目安は興収約10億円だから、現状はかなり厳しい数字だ。上映館数も公開当初の299館から214館に減った。理由は集客が苦戦しているからと見ていい。
川口春奈(31)主演の映画「ママがもうこの世界にいなくても」も同じ10月2日に公開された。こちらは公開第1週から第3週までの週末観客動員ランキングで、1位、3位、1位と推移した。3週目終了までの累計興行収入は22億4918万円に達した。堂々たるヒット作となっている。
綾瀬はデビュー26年。2009年度、15年度、23年度には日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を獲得した。15年度には毎日映画コンクールの女優主演賞にも輝いている。
川口はキャリア19年だが、まだ大きな映画賞とは縁がない。2人の主演映画の興収を見て、数字が逆だと勘違いした人もいるのではないか。
なぜ、綾瀬の映画は動員が伸びないのか。綾瀬本人の人気が衰えたわけではないはず。大規模な好感度調査「タレントパワーランキング2026年版」では総合8位に入っている。女性では1位だ。
綾瀬が実質的なCM女王であることにも変わりはない。今年上半期の契約社数(ニホンモニター調べ)は、映画でも競う川口が17社でトップだったが、カロリー(金銭的な条件)は綾瀬のほうが上だからである。
綾瀬がCM契約する企業は大半がグローバルに展開する超大手だ。一方、川口のCM契約企業は、石油販売業や準大手ゼネコンなど内需型産業が目立つからである。この違いが契約内容に表れる。
綾瀬がCM契約を結んでいるのはファーストリテイリング(ユニクロ)、P&G、マツダ、キリンビール、日本生命、アリナミン製薬、フジパンの7社。年商1000億円以下の企業はない。
綾瀬のCM契約金は1社当たり推定8000万円から1億円以上。女優ではトップとされている。契約金総額も頂点に立っていると見られる。CMは契約社数を競い合うものではなく、契約金額や契約金総額が問われる。
となると、「ファーストボイス」の苦戦は、映画の内容に難があるのではないか。物語は1989年に起きた実話「福岡セクシュアル・ハラスメント訴訟」に着想を得ている。
同年、出版社に勤める上原恵(ファーストサマーウイカ)が、弁護士・朝日道子(綾瀬)のところへ相談に訪れる。
恵は、職場で上司から不当な嫌がらせを受けていた。仕事まで奪われてしまった。当時は男女雇用機会均等法の施行から3年が経過していたものの、女性が働くのは結婚するまでの間という考え方が根強く残っていた。
この相談を受け、道子は立ち上がる。道子は弱い者いじめが大嫌いなのだ。女性への不当な扱いに対して、初めて異議を唱える声を上げる。それが「ファーストボイス」だ。出版社と上司を相手に日本初のハラスメント訴訟を起こす。
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