「織田翔希」“MLB挑戦宣言”で思い出す「田沢ルール」 「このままでは高校野球は草刈り場になる」

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 高校野球のスターが、ドラフト1位指名を受けても日本のプロ野球を選ばず、メジャーリーグに挑戦する――。織田翔希投手の“メジャー挑戦宣言”は、日本球界に新たな課題を突きつけた。かつて田沢純一の米国挑戦を機に設けられた“田沢ルール”は、批判を受けて撤廃された。だが、日米の獲得競争が激化し、国内球団が不利になりかねない現状を、手をこまねいて見ていていいのか。高校球児の夢を尊重しながら、日本球界の育成環境やドラフトの公平性を守る方策とは?

ドラフト1位でも入団するとは限らない

 先のプロ野球ドラフト会議で、横浜高校の織田翔希投手(18)が巨人から1位指名を受けた。最速157キロを誇る右腕は、1週間前に米国球界への挑戦を表明したばかり。巨人が交渉権を獲得したものの、本人はアメリカで挑戦する意思を変えていない。

「もちろん1位指名でも、本人が首を縦に振らなければ入団には至りませんから、巨人にとっては大きな賭け。また、織田の決断次第では、国内球団が有望な高校生を獲得できなくなる時代が本格的にやってくるかもしれません」

 スポーツ紙デスクはそう指摘する。

 これまでも、日本のプロ野球を経ずに海外へ渡った選手はいた。しかし、ドラフト1位級と評価され、実際にNPB球団から1位指名を受けた高校生が、その指名を断って米国へ進むケースはなかった。

 アマチュア野球のスター選手たちがNPBを飛び越えてMLBに流出する――そんな危機感をNPBが抱いたことは過去にもあった。

大谷翔平と“田沢ルール”

 2008年、社会人野球の新日本石油(現ENEOS)に所属していた田沢純一が、自身をドラフトで指名しないよう要望し、ボストン・レッドソックスと契約した。これを受けてNPBは、ドラフトを拒否し海外プロ球団と契約した選手について、日本球界に復帰する際のドラフト指名を一定期間認めないという規約を定めた。

「具体的には、高校生が米球界入りした場合なら帰国から3年間、大学生・社会人なら2年間、国内球団が獲得できないという内容だった。これがいわゆる“田沢ルール”です」

 12年、花巻東高校の大谷翔平が卒業後のメジャー挑戦を表明すると、田沢ルールがどのように適用されるのかも注目された。日本ハムはドラフト1位で大谷を指名し、二刀流への挑戦を認めるなど粘り強く交渉。その結果、大谷は日本のプロ野球入りを選んだため、直接MLBに進む高校生にルールがどう適用されるのかという問題は、具体的な結論が出ないまま残った。

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