「織田翔希」“MLB挑戦宣言”で思い出す「田沢ルール」 「このままでは高校野球は草刈り場になる」

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MLBには「国際契約金枠」があるが……

 ドラフト制度の根幹にあるのは、選手の獲得を抽選などで決めることで、資金力の差による戦力の偏りを抑える考え方である。どれだけ事前にスカウトが足を運び、選手を追い続けても、指名権を得られるとは限らない。しかし、自由競争が広がれば、資金力や水面下の交渉が選手獲得を左右しやすくなる。過去の裏金問題は、獲得競争の公平性をどう担保するかという課題を日本球界に突きつけた。

 もちろん、MLBにも国外のアマチュア選手を獲得する際のルールはある。球団ごとに年間の契約金総額を制限する“国際契約金枠”が設けられているのだ。MLBドラフトの対象である米国やカナダ、プエルトリコ以外の国、具体的には中南米諸国や日本などのアマチュア選手はこの枠組みで獲得される。ただし、指名順位で交渉権を決めるドラフトとは異なり、国際契約金枠においてはMLB球団が対象選手と個別に契約交渉を行うことができる。

 スポーツ紙デスクが嘆息する。

「今回の織田について、米メディアのカリフォルニア・ポストは、あるメジャースカウトの見立てとして、契約金が300万~500万ドル(約4億7000万~7億8000万円)に達する可能性を報じています。一方、NPBでは、新人選手の契約金は“1億円プラス出来高5000万円”を上限とする申し合わせがある。MLB球団の相場とは大きな開きがあり、資金面では国内球団は太刀打ちできません。しかも、NPBに入ってしまうとポスティングや海外FA権取得に膨大な時間を要するわけですから」

“第二の織田”に備える新ルールとは?

 前述したように、田沢ルールは20年に撤廃された。だからといって、何の対策も講じずに手をこまねいていれば、第二、第三の織田が現れる可能性は十分にある。

「時代が変わった以上、かつての田沢ルールをそのまま復活させることは難しいでしょう。海外挑戦を理由に選手へペナルティーを課すのではなく、国内球団が公平な条件で選手を獲得できる仕組みを考えるべきです。アマチュア選手への接触や勧誘のルールをどう整えるのか。たとえば、NPBは日本高野連と“選手がプロ志望届を提出するまでは接触しない”という約束を交わしています。NPBは日本高野連など国内アマ団体と連携してMLBにも同じようにルールを守ってもらうよう協議すべきではないでしょうか」

 織田の挑戦を一人の選手の選択で終わらせず、制度を見直す契機にできるか。日本の野球界には、“第二の織田”を防ぐ仕組みというよりも、“第二の織田”が現れても公平性を保てる新たな仕組み――そんな“織田ルール”の構築が求められている。

デイリー新潮編集部

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