【「VIVANT」を中国紙が猛批判】「山口百恵にみんな夢中だったのに」中国人漫画家が語る「反日教育」の実態

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 中国の新聞「環球時報」が、人気ドラマ「VIVANT」(TBS系)への批判記事を出したことが話題となっている。

「環球時報」側の言い分は、簡単に言えば、「中国人を残忍に描いた反中国ドラマは許せん」といったことになる。

「VIVANT」に登場する中国の民間諜報機関シンシーの工作員らはたしかに残忍で悪辣だ。しかしこれで中国への印象を悪くする視聴者がいるのかといえばいささか怪しい。誰がどう見てもフィクションだからだ。

「環球時報」の記事を紹介した毎日新聞の記事に寄せられたコメントも冷静なものが多い。フィクションに目くじらを立てなくても、という意見の他に目立つのは、「中国の抗日ドラマのほうがすごいのでは」という指摘だ。中国が国策として「抗日」「反日」モノを量産し、国民への教育や啓蒙に活用してきたのは有名な話である。

 その「反日教育」の徹底ぶりを証言してくれるのは、中国出身の風刺漫画家・辣椒(ラージャオ)さん。辣椒さんは2017年に刊行した『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(新潮社)の中で、反日教育や抗日ドラマの実情を詳しく紹介している。以下は、辣椒さんの明かしてくれた「反日教育」の実態である。(2024年10月1日配信記事をもとに再構成しました)

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 私は1973年に中国で生まれました。子どもの頃は、とくに反日感情が広まっていた記憶はありません。マンガにも書いたように、むしろ日本の映画やドラマが大人気で、高倉健さんや山口百恵さんにみんな夢中でした。

 また「抗日ドラマ」も盛んに制作されるようになります。抗日ドラマとは中国特有のジャンルで、もっぱら「日本の侵略戦争に対して、中国人が立ち向かう」というストーリーを扱います。

 21世紀に入ってからも、抗日ドラマがその他の現代劇や時代劇を超える高視聴率を稼いでいました。実はこの流れも、中国共産党によって意図的に作られたものでした。

 皮肉なのは、抗日ドラマの多くが、日本のマンガ作品やアニメ作品の影響を大きく受けて作られていることです。

 抗日ドラマの多くは荒唐無稽な内容ですし、そのような「娯楽作品」にいちいち目くじらを立てる必要はないと考える人もいるかもしれません。しかし、天安門事件以降に生まれた若い世代と話していると、中国共産党の都合の良い歴史観によってすっかり洗脳されてしまっていて、驚くことがあります。

 中国では、2024年にも蘇州の日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われ、犯人を止めようとした中国人女性が亡くなる事件が発生しています。このままだと、この先も日本人をターゲットにした悲惨な事件が起こるのではないかと心配です。
 
 いま中国でどのような教育が行われ、どのようなドラマが放送され、SNSでどのような日本に関する言説が流布されているのか。そして、なぜ習近平率いる中国共産党が、そのような状況を作り出して、野放しにしているのか。日本人もその実情をぜひ知っておく必要があると思います。

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「環球時報」の記事では、日本でもこのドラマの設定その他に批判の声があがっているということが紹介されているという。実際に、SNS上では中国人差別ではないかとの批判が一定数見られる。それらの主張は「環球時報」に近い。誰もがそのような声を自由にあげられるのが日本の良いところなのは言うまでもない。

※本記事に掲載されているマンガは、すべて『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(辣椒著、新潮社)から著者の許諾を得て転載したものです。

辣椒(ラージャオ)
本名・王立銘。1973年新疆ウイグル自治区生まれ。広告会社に勤めながら、2009年から「変態辣椒」のペンネームで政治風刺漫画をネット上で発表。中国政府の迫害を受け、2014年8月から日本に滞在、「新潮45」や「ニューズウィーク日本版」などで執筆活動を行う。2017年1月に刊行した『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(新潮社)がベストセラーになる。同年5月にアメリカへ移住した。