最大の敵は「街路樹」で気苦労が絶えないのは「パトカー」…クルマを運ぶクルマ「キャリアカー」あるある 「車の天井」だけは」絶対に傷つけてはいけない理由
路上作業で違反切符の理不尽
着荷主であるディーラーに到着しても、苦労は続く。
自動車販売ディーラーは、多くのドライバーたちの目に留まりやすくするため、幹線道路沿いに店舗を構えることが多い。都心になると、ビルに入っているディーラーもある。
「こうした店舗の場合は搬入用の入口が狭く、キャリアカーが敷地の中に入れなかったり、そもそも搬入用トラックのための敷地が用意されていなかったりすることが多いんです」
その場合は、キャリアカーを少し離れたところに路上駐車して、運んできたクルマを降ろすしかない。
「納品する商品車に仮ナンバーをつけ、自走させて(運転して)店舗の中に入れます。輸送用の仮ナンバーは、ベンツであれ軽トラであれ、同じナンバーを何度でもつけられる。期間付きではありますが、年単位で陸運局に申請が可能なので、ナンバーがボロボロになっているのも『キャリアカーあるある』ですね」
当然、幹線道路やその付近の道路などで作業をしていれば、他のクルマの迷惑にもなる。
「だからキャリアカーは、納車が昼間よりも夜中や明け方が多いです。販売会社さんによっては、搬入できる敷地をしっかり用意したうえで対応してくれるところも当然ありますが、やはり搬入作業は夜中が多いんじゃないかな」
こうしたワンマンでの作業中、なかには切符を切られるドライバーも。降ろしたクルマをディーラーに納車しに行っている間は、そこに誰もいなくなるからだ。
よく宅配の配達員が切符を切られ、物議を醸すことがあるが、こうした路上での積み降ろし作業における問題は、多くのトラックドライバーが日常的に抱えている問題なのだ。
中古車輸送の苦労
キャリアカーが積むのは、新車ばかりではない。自走が難しかったり、ハンドルがきかない壊れた中古車を運ぶケースも多い。なかでも困るのが「窓が開かないケース」だという。
「積み降ろしの時は、窓から顔を出して、目視でラインにタイヤを合わせる必要があるんです。窓が開かない場合、その目視ができないので、もう勘で積み降ろしをするしかない」
こうした中古車の搬出入が多いのが、オークション会場だ。現場によっては、動く車があるのが奇跡というケースもあるという。
「クルマのオークション会場というのは、場内を巡行するバスがあるぐらい広いんです。現場に到着したら、まず、ずらっと陳列されている膨大な車の中から、自分が搬出する車を探し出さないといけないんです」
しかし、その時に起きるのが「クルマの迷子」だという。
「時々クルマが指定場所にないことがあるんです。会場が広いので、勝手にそのクルマで移動しちゃう人がいる。乗って戻って来るならまだしも、そのクルマを置いて、別のクルマで戻って来ることもあるから、本当に苦労します」
こうして動き回ることが多くなるため、オークション会場を出入りするキャリアカーのドライバーには、移動用の「折り畳み自転車」をキャリアカーに積んでる人もいるとのこと。
「キャリアカーのトレーラーヘッドの後ろあたりに、小さい自転車が積まれていたら、その人は恐らくオークション会場を出入りする人ですね」
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