「夜逃げしたはずの住人」が天井裏にひそんで…“予約の取れない清掃業者”が語る、衝撃現場と“嬢”からの珍依頼

ビジネス

  • ブックマーク

一番のクレーマーはまさかの…

 逆に「もっとも苦労する相手」として挙がったのが、意外にも「新婚夫婦」だった。

「中古マンションを買って、“清掃業者をいれさえすれば新築同様になる”なんて勘違いをしている方が非常に多い。あくまでもウチの仕事はハウスクリーニングであって、リノベーションじゃない。それをちゃんと事前に説明しないと、後から『あそこが汚い、ここが汚い』とめちゃくちゃクレームが出るんです。新婚さんが一番厄介ですね、理想というか夢をもっちゃっているから」

 ハウスクリーニングに期待する「きれい」の程度が、業者と依頼者で違うのだ。

「どんな物件でも、新築のような状態に完全に戻すのは無理。水垢なんかもある程度は落ちますが、完全に落とすには傷がつくし限界がある。浴室のゴムパッキンなんかは、新品に交換しない限り使用感が残ります。新築同様にしたいなら、清掃業者でなくリノベーションを頼んだほうがいい」

「当たり」業者はココを見ろ

 最後に、清掃業者選びのコツを聞いた。

「大手のチェーンより、下請けや個人でやっている業者のほうがいいかもしれません。大手はどうしても予定が詰め込まれてしまうので、時間でキッチリ区切られてしまう。完全に汚れが落ちきらなかったとしても、時間で作業を終えてしまうことも。個人であれば、やや融通がきくこともありますから」

 ほかに見分ける方法として「セダン型の車を使っていないか」もあるそう。

「単純に、セダンだとクリーニングの道具がたくさん載らないので……。ワゴンにいろんな道具を積んで、いろんな汚れに立ち向かえるほうがいいじゃないですか。自分が業者を頼んだとして、セダン型の車で来られたら“コイツ手ぶらで現れて、大したことないな”って思っちゃうかもしれません(笑)」

 業者の規模にかかわらず、何をどこまで頼むのか、どんな状態の部屋なのかも、依頼する前にきちんと相談しておきたい。

前田清貴(まえだ・きよたか)
ハウスクリーニング会社「エムズクリン」代表取締役社長。学生時代にアルバイトをしていた清掃会社にそのまま就職し、約10年勤務。その後独立し、起業して約20年。基本的には大手業者からの下請けか紹介がない限り、個人からの依頼は受けていない。特殊清掃から遺品整理、退去時のクリーニング、模様替えまで幅広く対応し、決められた時間内での徹底ぶりに定評がある。サラリーマン・ヴィジュアル系ハードコアパンクバンド「燭台(怪)」の元メンバーという顔も持つ。

取材・文/木原みぎわ

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]