浴槽の蓋を開けると、ゴキブリが「ごっちゃり」…“予約の取れない清掃業者”が見た、ゴミも高価アクセもいっしょくたの「壮絶汚部屋」
蓋を開けたら、また「ごっちゃり」
「とりあえず玄関を入ってすぐの浴室から始めようとしたのですが、扉を開けたら、生きたゴキブリが50匹くらいザワザワしていました。しかも、死骸まであちこちに……。漂白剤を撒いても撒いても、廊下側からまた新しいのが入ってくるんですよ。部屋全体に相当数いたと思います」
浴室内もシャンプー類の空き容器やクリーム状のものでべたついた床、カビだらけの壁と天井、落ちた体毛などで汚れていたが、シャワーを使っている形跡はあった。では、浴槽の中はどうか。蓋を開けてみると、
「ゴキブリがまたゴッチャリと蠢いていたんですよね……」
これには、さすがに声を上げそうになった。居室もまたひどい状態だった。床という床にはダンボールが雑然と積まれ、そこここに脱ぎ捨てられた衣類や丸まったティッシュが転がり、食べ捨てられたコンビニ弁当は異臭を放っている。中身が変色した飲みかけのペットボトルや紙ごみに混ざって、なぜか“高価そうな指輪”までもが、無造作に落ちていたという。
「大量のゴミの中に高級そうな指輪が、ゴロゴロ転がっていました。ゴミなのか大事なものなのかもうわからない状態。片付けられない方って、ゴミと大切なものが同列になっちゃうんですかね」
さらに床には白い錠剤や、外国語のパッケージの小袋なども散乱していた。それらの中身が何だったのかはわからなかったが、同種類のものはなるべくまとめ、ゴミと思えるものは無心でつまんで捨てていった。前田さんは「こちらも一刻も早く終わらせたい一心でしたね」と振りかえる。
契約は3時間パック。ざっくり立てる場所を作って水回りの清掃作業に入ったものの、当然、完璧な仕上がりまで持っていくことはできなかった。
「まだまだ汚れは残っていたので、“延長してほしい”と言われましたけど、遅刻はあちらのミス。次の現場も控えていましたから。キッチンと浴室だけ、ギリギリなんとか見られる状態にして帰りました」
45分待たされたうえ、聞いていた話とまるで違う壮絶な状態。時間内で精いっぱいの働きはしたものの「あんな現場は二度とごめんです」と語る前田さんだった。
[2/3ページ]


