「バッシングのおかげで強くなれたと思う」 41歳年上の夫を介護する漫画家に、日本一有名な「年の差カップル」の妻が授けた金言

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 マンガ専門学校で講師と生徒として出会った二人――マンガ家の〈恋池りも〉(こいけ・りも)さんは、41歳年上の真崎守さんと結婚を決意する。年の差もさることながら、夫は伝説のマンガ家にしてアニメーション演出家でもあった。周囲の不安をよそに入籍した二人だが、結婚3年目……夫はアルツハイマー型認知症との診断を受ける。(前後編の後編)

事実を語ることに

「しばらくは、その事実を外部に公開する気にはなれませんでした。学校でも、時々、おかしな行動があったようで、つき添うように言われ、わたしが車で送迎してきました。しかし時々、講演や仕事の依頼が来るのですが、わたし自身、隠していることに後ろめたさと心細さが募るようになって……」

 あるとき、2010年に逝去したマンガ家、みやわき心太郎氏の法事があり、むかしのマンガ家仲間が集まった。そこへ真崎さんの付き添いで同行した〈りも〉さんは、思いきって認知症の件をみんなに打ち明けてみた。

「するとみなさん、意外と自然な反応だったんです。この年齢になれば仕方ないよ、と。そうか、わたしが気にしすぎだったのか、周囲に話してもいいんだと、かえって気がラクになりました」

 そこで〈りも〉さんは、フェイスブックなどで、この事実をふつうに語るようになった。すぐに飛んできたのが、メディア・プロデューサーで、雑誌「イコール」編集長の橘川幸夫さんだった。音楽誌「ロッキング・オン」の創刊メンバーである。橘川さんは、真崎さんとは古い付き合いで、かつて橘川さん原作、真崎さん絵で、絵本『なぞのヘソ島』(1988年、アリス館→2024年、メタ・ブレーンで復刊)を上梓した仲だった。その橘川さんの話。

「実は、前の奥さんを知っていたので、若い〈りも〉さんと再婚したのを知って、びっくりしました。わたしのことは、もうわからなくなっていました。共作した絵本を持っていって、一緒にページをめくって見せたのですが、反応はありませんでした。わたしには、何もしてあげられません。でもせめて〈りも〉さんには、元気になってもらいたかった」

 橘川さんは、マンガ家としての〈りも〉さんの作品を見せてもらった。

「なかなか絵がうまいんです。さすがは真崎守の弟子だと思いました。そこでわたしが編集長をやっている雑誌『イコール』で、真崎さんとの生活を3回にわたって読切短編で描いてもらったんです。これが面白かったので、1冊分に内容を膨らませ、かねて知り合いだった出版社のバジリコで実現したのが、この『だからわたしは~』です。絵コンテづくりに1年近くかけ、仕上げに半年をかけました」

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