なぜ日本唯一の寝台特急の“シャワーカード”が転売されるのか…「サンライズ瀬戸・出雲」に乗ってみて分かった“トラブル続発”の理由
国内で唯一、毎日定期運行されている貴重な寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」で、今年に入ってから炎上事案が多発している。ある高校の鉄道研究会が合宿中に車内で騒いで迷惑をかけて謝罪したかと思えば、シャワーカードが発車と同時に買い占められ、あろうことかフリマサイトで転売されて非難が殺到。ネットニュースをたびたび騒がせている。
寝台特急は、昭和の時代は日本中を走り、長距離移動には欠かせない存在だった。ところが、国鉄民営化後の平成中期に多くが廃止。希少な存在になってしまったため、今や単なる移動手段ではなくなった。乗車すること自体が特別なイベントとなり、乗客のテンションが上がってしまうことが、トラブルの原因になるのかもしれない。
合わせて、乗車券並びに寝台券自体がプラチナチケット化している。必然的にシャワーカードも“レアカード”になり、転売屋のターゲットにされてしまっているというわけだ。こうした事案が発生し、SNSで「治安の悪化」が叫ばれる「サンライズ瀬戸・出雲」。実際に乗車して、車内の様子を確かめてみた。【取材・文=宮原多可志】
【写真】「サンライズ瀬戸・出雲」の車内にある噂の「シャワーカード」自販機の正体
列車の入線とともに人々はスマホを構える
「サンライズ瀬戸・出雲」は東京駅を発った後、横浜駅、熱海駅、沼津駅……と停車しながら、翌朝に岡山駅に到着。ここで切り離され、「サンライズ出雲」が伯備線や山陰本線を経由して出雲市駅へ、「サンライズ瀬戸」は瀬戸大橋を渡って四国の高松駅へと向かう。なお、「サンライズ瀬戸」は“こんぴらさん”で有名な琴平駅まで延長運転されることもある。
間違いなく「サンライズ瀬戸・出雲」の特急券・寝台券は、毎日定期運行されている列車の中でトップクラスに予約が取りにくい。1か月前に予約が開始されると、みどりの窓口で座席争奪戦が始まり、すぐに埋まってしまう。お盆や年末年始の多客期はまず予約が取れないし、取れたら幸運と言っていいだろう。
筆者はみどりの窓口に足を運んだが、目当ての日は満室が続いていた。しかし、何度も足を運んだところ、奇跡的に「サンライズ瀬戸」のノビノビ座席の東京→岡山の区間だけが空いており、無事に切符を入手することができた。
10月某日、21時に東京駅の9番ホームに着くと、明らかに「サンライズ瀬戸・出雲」が目当てと思われる人たちがたくさんいる。利用者のほとんどが電光掲示板の写真を撮っており、21時7分頃に列車が入線してくると一斉にスマホのシャッターボタンを押し始めた。いかに、特別な列車なのかがよくわかる。
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