告発系YouTuberは本当に正義の味方なのか 「悪を懲らしめる」はずが…熱狂する人々の心理

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KENZO、名誉毀損で逮捕

 10月15日、YouTuber「KENZO【新宿109】」こと池田実貴容疑者が投稿した動画などが原因で息子が自殺したとして、男性の母親が池田容疑者ら3人に対して計約2億3000万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。池田容疑者は14日、男性の名誉を傷つける動画を投稿したとして、名誉毀損の疑いで逮捕されていた。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 問題となったのは、2025年6月に投稿された動画である。京都市の不動産会社の元代表だった中野拓磨さんについて、「詐欺師」などと非難する内容が含まれていた。中野さんは会社の売却をめぐって別の会社関係者とトラブルを抱えていたとされ、動画が公開された翌月に自ら命を絶った。

 母親は動画の投稿と自殺に因果関係があると主張しているが、その法的な判断は今後の裁判に委ねられる。

 KENZOは、詐欺や悪質なビジネスの撲滅を掲げて活動してきたYouTuberである。疑惑を持たれている人物のもとに直接出向き、厳しい言葉で追及する動画で人気を集めてきた。

 これまでに700本以上の動画を公開してきて、チャンネル登録者数は100万人を超えているという実績からも、このような告発型のコンテンツに大きな需要があることがわかる。

 そもそも告発系YouTuberが支持されるのはなぜなのか。その理由の1つは、視聴者が日常で感じている不公平感や不満を代弁してくれるからだ。

 世の中には、法律や制度のすき間を利用して利益を得ているように見える人や、他人をだましているのではないかと疑われる人がいる。そのような人物に対して、一般の人々が直接抗議したり、責任を追及したりするのは難しい。

 告発系YouTuberは視聴者に代わって疑惑の人物を追及し、ときには相手を言い負かしたり、謝罪を迫ったりする。そこには悪人を懲らしめるわかりやすい勧善懲悪の物語がある。視聴者は、自分自身が何かをしたわけではなくても、動画を見ることで悪を退治したような爽快感を味わうことができる。

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