人口減少率日本一の秋田駅前にマンションが続々建設の動き 購入希望者急増の背景は「駅前なら、クルマなしで生活できる」ため
地方と都市部の良いとこ取りができる
東京で現役時代にマンション暮らしをした人は、高齢になってからは、地方に一軒家などを所有して生活しよう……というビジョンを思い描く傾向がある。一方で、地方にずっと住み続けている人が一軒家からマンションに積み替えようとする動きがあるのは、興味深い現象といえる。
もしかすると、県庁所在地の駅前のマンションで生活することは、地方と都心部の暮らしの“良いとこ取り”ができるという点で、かなり魅力的ではないかと思える。事実、駅前回帰の傾向は秋田市内だけでなく近隣の県庁所在地の青森市や盛岡市でもみられ、同様にマンションが建ち始めている。少子高齢化で、駅前の利便性が最注目されているのだ。
しかし、県内全体を見渡すと過疎化が深刻であるのは変わりなく、山間部では限界集落になると想定される地域も少なくない。現役世代の若者は、老後を不安視している人もいる。県内の民間企業に勤める40代の男性がこのように話す。
「駅前のマンションはかなり高いし、住めるのは公務員や銀行員などで安定してローンを組めるか、もしくはそういった組織を退色し、潤沢な退職金で暮らせる人ではないでしょうか。マンションに暮らせるのは、秋田県内でも相当な“勝ち組”ではないかと思いますし、我々のような民間企業の社員には手が出ませんよ」
コミュニティは未来も維持されていくか
「マンションがどんなに建とうと、あくまでも秋田市では現役世代やファミリー層は郊外に住むのが一般的だと思います」と、前出の男性が口にするように、秋田県内では世代間や職業間の格差を口にする人が少なくない。男性はこう続ける。
「秋田市内はクルマがあれば快適に暮らせますが、私が暮らす住宅街には空き家もぼちぼちと見られるようになりました。地域のコミュニティがこの先も維持されていくか心配です。ましてやショッピングモールがなくなったら、一気に過疎化が進む可能性もあるのではないでしょうか」
現役世代の悩みを解消できる、未来を見据えた都市計画が行政主導で行われることを願いたい。




