人口減少率日本一の秋田駅前にマンションが続々建設の動き 購入希望者急増の背景は「駅前なら、クルマなしで生活できる」ため

国内 社会

  • ブックマーク

除雪が不要でクマに遭う心配もない?

 秋田県は“持ち家面積が日本一”といわれるほど、それぞれの家には広大な庭がある。それほど土地が余っている地域でマンション暮らしを選ぶ背景には、結局、家の広さを持て余している人が多いこと、そして県内が豪雪地帯であることも影響している。特に、マンションを選べば、県民にとって特別にしんどい“除雪”の重労働から解放されるのは大きい。

「ウィザースレジデンス秋田ザ・タワー」を扱う不動産サイトでは、駅から徒歩5分という立地や免震構造のほか、「敷地内の道路は雪かき不要」「ロードヒーティングを採用」など、雪を心配せずに生活できることをウリにしていた。秋田市は、県内では比較的降雪量が少ない地域だが、それでも除雪が面倒であることには変わりない。

 県出身の漫画家・矢口高雄氏はエッセイの中でたびたび除雪の辛さを口にしていたが、一軒家の場合、屋根の雪下ろしはもちろん、庭の雪寄せまでも自分でやる必要がある。ところが、マンションなら共用部のメンテナンスを管理会社が一貫して行ってくれるのだから、これほどありがたいことはないだろう。

 また、全国ニュースで報じられているように、秋田県最大の懸案事項といえばクマ問題である。今やショッピングモールがある郊外や住宅街にまでクマが多数出没している。これはあくまでも推測だが、駅周辺ならクマも入ってこないだろう……と、安心安全を求めてマンションに住む人もいるのかもしれない。

秋田駅前の再開発が進んでいる

 2000年以降、秋田駅前は商業地としては急激に活気が失われていった。老舗の書店や時計店などの閉店が続いたことも、衰退に拍車をかけた。一方で、2013年には藤田嗣治の作品で知られる「秋田県立美術館」が移転オープンし、2022年には多目的ホールの「秋田芸術劇場ミルハス」など、老朽化していた公共施設の再整備が進んでいる。

 さらに、駅前で50年以上にわたって計画が進められていたものの、長らく動きがなかった「緑屋ビル」周辺の再開発事業もいよいよ動き始めた。13階建ての複合ビルが建設される予定で、既に完成予想図も発表されている。おそらく飲食やファッションなどのテナントも入居するとみられ、駅周辺の活性化に大きく貢献することになるだろう。

 そのうえ、もともと秋田駅前は過ごしやすいのだ。徒歩5分ほどのところには、かつての秋田藩の居城、久保田城跡を利用した千秋公園がある。お堀に咲き誇る蓮と園内の桜で知られる景勝地でもあり、市民の憩いの場にもなっている。元々ある資源と今後の再開発によって、秋田駅前はより快適に暮らせる環境に変わることは間違いない。

次ページ:地方と都市部の良いとこ取りができる

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。