最終戦で4打席4三振も「村上宗隆」に“総額267億円”の契約交渉…後半戦に失速でもホワイトソックスが“火の国の主砲”を評価する理由

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「火の国の主砲」

 村上の打撃不振が始まったのは8月上旬とされている。5月29日のデトロイト・タイガース戦で右太股裏を痛め、約6週間のIL(負傷者リスト)入りもあり、ようやく実戦にも慣れてきたころだった。本塁打を放つペースも落ち、得点好機で期待に応えられないこともあったが、8月の28試合で19四球を選んでいることから「打撃フォームが崩れているわけではない。一時的なもの」と好意的に捉える声のほうが多かった。だが、9月に入っても復調の兆しは見られず、同月の月間打率は1割6分3厘と酷いありさまだった。

「8月の月間打率も1割6分3厘でした。9月15日のクリーブランド・ガーディアンズ戦で4打数4三振に終わると、地元メディア『A to Z Sports』がスタメンを外すことも考えたほうがいいと伝えています。1試合4三振は村上にとっても今季ワーストでした」(前出・現地記者)

 実際、ベンチスタートとなる試合もいくつかあった。しかし、村上の不振からチームの成績も落ち始め、9月14日からのクリーブランド・ガーディアンズとの首位攻防3連戦に負け越し、首位陥落となり、そのままガーディアンズに地区優勝も許してしまった。

 打撃成績だけを見れば、「ナンバー1一塁手」の大型契約は難しそうだが、全く異なるアプローチから村上を評価する声も聞かれた。ひと言でいえば「人気」だ。チームの命運まで左右しかねないところまで高まっている。

「チームの株主でもあるジャスティン・イシュビア氏の開発会社が主体となって、2030年の新球場構想が進められています。近くにMLS(サッカー)のシカゴ・ファイアの新スタジアムも建設中で、ホワイトソックスの新球場ができれば、シカゴ川を挟んで野球場とサッカースタジアムが隣接します」(前出・同)

 このスポーツ地区計画のテレビCMの一部に村上の映像も使われたそうだ。村上は新球場の顔、つまり、チームの看板選手という扱いだ。

 また、9月25日のコロラド・ロッキーズ戦で菅野智之(37)から2本塁打を放った際、MLB公式サイトが「村上がバットを構えた写真」を掲載した。背景には炎の竜が描かれた合成写真で、「村上宗隆」「火の国の主砲」と、筆文字の漢字で書かれていた。火の国は熊本県の呼び名のひとつであり、災害避難の復興やエールも込められていたようだ。

「ホワイトソックスのウィル・ベナブル監督(43)は村上を使い続けたことで批判的な質問も受けました。スタメンで起用した日は代打を送らないと決めていたらしく、得点好機で打席に立つ重圧もあえて経験させていたような印象を受けました」(前出・米国人ライター)

ワールドシリーズ後に契約が…

 ワイルドカードシリーズを勝ち上がった際のシャンパンファイトで、村上は英語でインタビューを受けた後、「I don't speak English」と言って会場を爆笑させた。その日は5打数無安打3三振であり、日本人メディアに向かって「今日は何もしていません。一塁でボールを捕っていただけ」と言って笑い、最後は「地区優勝を逃した悔しさもありますが、僕たちは強いんだという戦いができればと思っています」と閉めた。自身の不振は笑いに変え、チームの勝利を喜ぶコメントにシカゴのファンは好感を持ったそうだ。

 シーズン終盤の不振を酷評した地元メディア「A to Z Sports」も「村上と長期契約を早く結ぶべきだ」との主張は変えていない。1億6800万ドルの契約規模には首を傾げる声もあるが、守備能力の低さや三振率の高さがマイナス要素になるとしても、「1億ドル超えは間違いない」とも伝えられていた。

 球団と代理人側で合致していることは「現在の労使協定が切れる12月1日までに新契約を決める」ということ。ワールドシリーズ終了後、村上の契約交渉が一気に加速しそうだ。

デイリー新潮編集部

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