「なんで“代打おかわり”じゃないんだ!」 西武ライオンズが最下位から2年でリーグ2位に大躍進も…続投決定「西口監督」と若獅子に課せられた「来季こそが真の正念場」

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代打を送らない

 3試合で4得点……勝負どころでの「あと1点」が遠いCSでもあった。ファンの間では、CSで波に乗れなかった選手の話題が尽きない。2年目の渡部聖弥(24)である。初戦は5番、2戦目以降は7番、9番と打順を下げられながらも起用されたが、3試合で11打数2安打4三振2併殺、打率は1割8分2厘。本塁打12本、打率2割5分5厘で48打点を稼いだシーズン成績からすると、まったく当たらなかった。併殺の場面はいずれも好機だっただけに、「なぜ、おかわり(中村剛也・43)を代打で出さない?」「聖弥をスタメンから外せ」といったファンの声がネット上や球場内でもよく聞かれた。

 渡部も期するものがあったのだろう。第3戦ではいつも使っているトルピードバット(いわゆる魚雷バット)ではなく、普通のバットで打席に立ったが、振るわなかった。

「ファンの間で語られるのが(前述の黄金時代)92年のヤクルトとの日本シリーズです。この時、4番の清原和博氏(59)がヤクルトバッテリーの徹底マークにあい、第4戦以降は16打数ノーヒットでした。意を決した当時の森祇昌監督(89)が、勝負のかかった第7戦で清原氏を交代させたのです。たとえシーズンを支えた4番でも、短期決戦ではこうした采配は必要だろう、というわけです」(50代のファン)

 しかし、西口監督は渡部をベンチに下げることはせず、勝負のかかった第3戦、5回に犠牲フライで1点を返し、なおも2死1、3塁の好機で打順が回ってきた渡部に代打を送らなかった。結果はキャッチャーフライ……。

「野球はワンプレーやワンヒットで、それまでのミスや凡退をカバーできます。選手に立ち直るきっかけを与えたいという気持ちからでしょうが、西口監督の場合、ここは心を鬼にして、大事な場面を渡部に“経験”させようとしたのだと思います。渡部本人も、調子が悪いのにチャンスで打順が回ってくる不運を嘆いていましたが、得点圏で確実に点を取ることができる将来のライオンズの主軸になって欲しいからこそ、たとえ厳しい場面でも打席に立たせたのでは」(前出・記者)

 別のファン男性によると、西口監督は1軍投手コーチ時代、マウンドで「替えて欲しい」と言いたげな顔を向ける投手に、右手を払うようにしてそのまま投げさせた。「ここはお前の踏ん張りどころだろう、逃げるな」という気持ちがこもったような仕草だったという。

 このCSでの悔しい経験を生かすか殺すか――渡部自身が答えを出すしかない。

ファンは待っている

 同じCSファーストステージで敗退したセ・リーグの巨人だが、試合後に選手がファンへあいさつすると、ブーイングが起きた。3位DeNAに1勝もできずに敗退……ファンの気持ちも分からないではない。一方、今オフにはパ最優秀防御率の平良海馬(26)のメジャー挑戦も囁かれ、08年以来、日本シリーズ出場のないライオンズファンにも様々な思いがあるだろう。

 しかしCS最終戦、ベルーナドームを埋め尽くしたライオンズファンは試合後、整列した監督・選手たちへ3回「頑張れ、頑張れ、ライオンズ!」と大きな声援を送った後、ライトスタンドの日本ハムファンに、こちらも3回「ホークス倒せ、ファイターズ!」とエールを送った。

 ドラフト1位の小島は「打てる捕手」として大活躍、投手では篠原や、ホップ率の高い「豆直球」が知られた育成出身の豆田泰志(23)が頭角を現し、豆田と同期の長谷川信哉(24)は交流戦MVPを獲得した。ハセシンこと長谷川はシーズン終盤の試合中、スライディングキャッチとヘッドスライディングで2度もユニフォームの前部を派手に破いてしまい、普段は無表情の西口監督をニヤリと笑わせた。若い力は確実に育っている。

 そんなチームを見守ろうと、今年も多くのファンがベルーナドームに足を運んだ。結果、西武は今季、過去最多となる184万3507人の観客を動員した。そしてCSで3試合。球団の懐はあたたかいはず。オフの補強もバッチリなのではないか……。

 迫るドラフトでは「即戦力の投手を」と語った西口監督。選手時代に5度の優勝、2度の日本一を経験し、投手王国・西武のエースとして182勝を挙げた指揮官。今季の経験をもとに、来季はどんな采配を見せてくれるのか。

デイリー新潮編集部

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