巨人のドラフト戦略に“異変”「195cmの二刀流」を熱心に視察 即戦力重視から方針転換か?

スポーツ 野球

  • ブックマーク

サイドスローにも注目

 野手の上位候補でもう一人注目したいのが渡部海(青山学院大)だ。

 捕手として高い能力を備え、打撃でも全国屈指のレベルを誇る東都大学野球リーグ1部で通算11本塁打を記録(10月13日終了時点)。長打力も申し分ない。

 巨人の捕手陣は大城卓三と岸田行倫の2人が中心。ただ、ともにベテランの域に差しかかっている。次の正捕手候補と期待された山瀬慎之助は、昨年オフの契約更改で起用法を巡って不満を爆発させた経緯がある。

 正捕手と中軸打者の両方を期待できる渡部は、魅力的な選択肢ではないだろうか。

 将来の中軸候補や捕手に加え、巨人が狙いそうなポジションはほかにもある。サイドスローの本格派投手だ。

 近年は大勢(関西国際大→2021年1位)、船迫大雅(西濃運輸→2022年5位)、ルーキーの田和と、スピードのあるサイドスロー投手を積極的に獲得。いずれも早い段階で戦力となっており、成功例が続いている。こうした指名傾向は、今後も踏襲される可能性があるという。

「もちろん大勢、船迫、田和は持ち球などが違いますが、サイドスローでもストレートに力がある点は共通しており、プロの世界では成功例をなぞるケースも少なくありません。また、今年は大勢が7月に右肘を痛めてシーズンの大事な時期に戦力になりませんでした。それを考えても、同じようなタイプがいれば成功法則に従って狙うことも十分にありそうですね」(前出の球団関係者)

 今年の候補でストレートに力のあるサイドスローといえば、馬場拓海(日本体育大)と木口永翔(上武大)が代表格。ともに150キロを超える速球を投げることも珍しくない。

 馬場は8月の西武三軍とのプロアマ交流戦にリリーフで登板し、いきなり三者連続三振を奪う好投を披露。巨人のスカウト幹部も視察に訪れていた。

 木口についても、夏のオープン戦では担当地区以外のスカウトが、いわゆる“クロスチェック”を実施。巨人が注目していることは間違いないだろう。

 馬場は大学生投手の中でも評価が高く、ウェーバー順が遅い巨人の2位指名まで残っていない可能性がある。その場合、大勢と同様に外れ1位へ浮上する展開も考えられる。

 木口は3位以降での指名が想定され、馬場を逃した場合の次の一手として有力な候補となりそうだ。

 近年は実力のある選手がメジャーを目指すケースが増え、かつてのようにFAで大物選手を獲得することは難しくなっている。それだけに、巨人にとってドラフト戦略の重要性はますます高まっている。

 再び球界の盟主に返り咲くため、巨人は10月22日のドラフトで誰を指名するのか。その選択に注目したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。