バブル崩壊、就職氷河期、デフレ…日本の“失われた30年”と同じ道をたどる「中国」景気悪化の実態 「朝定食100円」「若者の失業率18・9%」の怒りは習近平国家主席に向くか

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「返品保証」「弊社が金利負担」でも買わない中国人

 中国の消費者が財布のヒモを、しっかり閉めていることが分かる。これが金額の大きな乗用車や家電となると、消費意欲の冷え込みは明白だという。

「メンツ重視の中国では大型車が好まれます。ですが、最近は安価な小型車に売れ筋はシフトし、200万円以下の価格帯がトレンドになっています。とはいえ値下げ競争が激化すると、メーカーも販売店も利益を確保できません。そこで無料でフルスペックにしたり、本来はオプション外の車内用冷蔵庫を特別に取り付けたりするなど、何とかして車を買ってもらおうと必死です。家電業界も強い逆風にさらされています。中国にも大手の家電量販店が複数あり、ネットショップも含めて激しい競争が行われています。『7日間なら返品完全保証』、『返品される場合、店のスタッフがご自宅まで無料で回収に参ります』、『ローンの金利、手数料は弊社が負担』と、まさに至れり尽くせりのサービス合戦を繰り広げていますが、消費者の反応は鈍いようです」(同・高口氏)

 中国政府も消費の冷え込みを懸念し、様々な商品の買い換えを促進するため、補助金を交付している。

「日本でも家電エコポイント制度が話題になりましたが、中国はスマホの買い換えにも家のリフォームにも補助金を出しました。反響は大きく、一時期は消費が上向いたのです」(同・高口氏)

デフレスパイラルの発生

 高口氏は「とはいえ、この“補助金特需”は結局、需要の先食いに過ぎませんでした」と指摘する。

「そもそも今の中国人はテレビも洗濯機もエアコンも全て家に揃っています。中国政府は補助金で人為的に買い換え需要を創出しましたが、消費者が買い換えを完了すると、消費意欲は再び冷え込んでしまいました。中国政府も政策の欠陥に気づいたのか、最近は以前ほど補助金に力を入れていません」(同・高口氏)

 なぜ中国人は支出を避けるようになったのか。高口氏は「今の中国は、まさにデフレマインドが広がっているからです」と言う。

「資産価値の上下は、消費者の購買意欲に影響を与えます。例えば株価が上がった場合、利益が全く確定していないのに、思わず嬉しくなって散財する個人株主は少なくありません。今の中国で起きていることは、この逆です。たとえ持ち家の不動産価値が下がったとしても、会社をクビにならず、ローンが払えていれば、何の問題もないはずです。ところが自宅の価値が下落すると、まるで自分の預貯金が目減りしたように錯覚してしまい、慌てて倹約を心がけてしまうのです。最初は、まさにそうした“節約気分”で消費意欲の減退が始まります。メーカー側は需要を喚起しようと値下げで対応しますが、そうすると働く従業員の手取りが減ります。手取りが減ると、財布のヒモはもっと固くなるのは当然でしょう」

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