巨額赤字「ジャングリア沖縄」の苦境…改めて問われる「クールジャパン機構」はなぜ「刀」に80億円出資したのか

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“公的資金”はどこから、いくら入ったのか

 沖縄振興開発金融公庫は、この事業への出資と融資の両方を公表している。融資団にも加わった。だが当初の出資額も、融資団内での負担額も明らかにしていない。政府が全額出資する公庫の出資は、事業が失敗すれば価値を失いうる。融資も、返済されなければ損失となる。もっとも、JEHDが株式の評価を引き下げたからといって、公庫の出資分まで同じ割合で目減りしたとは言えない。

 クールジャパン機構は2022年9月、刀に80億円の出資を決めた。機構は沖縄のテーマパーク事業などを投資の目的に挙げている。しかし出資先はあくまで刀であり、80億円がそのままJEに入ったという意味ではない。刀の事業全体への投資を、ジャングリアへの直接の公的出資と数えれば、国民が負うリスクを誤って見積もることになる。その機構自体が、2026年6月に540億円の損失を公表し、廃止を含めて議論される見通しとなった。

 商工中金も80億円を貸した。設立以来、政策金融との関係は深いが、政府は2025年に保有株式を売却している。現在の貸付をそのまま「国費80億円」と呼ぶのは正確ではない。ただし、政府が拠出した特別準備金などは同金庫の自己資本に残る。商工中金は、民間の銀行とも国の出先機関とも、単純には言い切れない存在である。

 ジャングリアの企画も運営も民間である。だが政府の金融機関が事業に直接出資し、融資し、官民ファンドが主導企業にも出資している。そこに、計画を下回った後のつなぎ融資が重なろうとしている。公的な負担の総額と、資金を追加する条件が明らかにされなければならないのは、この構造のためである。

カギを握るインバウンド客

 資金を出した側は、何を信用したのだろう。クールジャパン機構は刀への出資を発表した際、森岡氏のUSJでの実績や刀の需要予測モデルを高く評価していた。USJの再建に森岡氏の貢献はあっただろう。ただ、そこには大型アトラクションへの投資、訪日外国人の増加、入園料の引き上げなども重なった。既存の大規模パークでの成功を、沖縄で一から造る施設の集客力にどこまで当てはめられるかは、別途検証を要する問題である。

 刀が関わった西武園ゆうえんちでは投資の減損が生じ、自ら運営したイマーシブ・フォート東京は2026年2月に、予定を前倒しする形で営業を終えた。両施設の結果をすべて刀だけの責任にすることはできないし、後から判明した結果で当初の審査を裁くべきでもない。しかし、2026年の追加融資は話が違う。すでに公表されている実績と、ジャングリア自身の来場者数を使って、元の計画をもう一度審査できたはずだ。

 ではどのポイントで見込みが外れたのか。朝日新聞によれば、関係者の話として、特に県内客とインバウンド客が想定を下回ったという分析があるという。これはクールジャパン機構の位置づけに直接かかわる。同機構は本来、日本の財やサービスの海外展開を支援する組織であり、国内の施設への出資を正当化したのは、訪日客の動線を太くするという理屈だった。その理屈を裏づける実績が、いまのところ出ていない。

「飛行機で3時間圏内に4億人」(森岡毅氏の説明)という潜在市場も、人々が実際に沖縄北部まで来て、入場料を払うことを意味する数字ではない。外国から、県外から、県内からそれぞれ何人呼び込み、いくら使ってもらい、猛暑期、梅雨期、閑散期をどう乗り切るのか。当初150万人と見込んだ根拠と、100万人という実績、とりわけ後半半年の35万人を踏まえた修正後の数字が示されなければならない。

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