手売りCDからメジャーへ 押尾コータローが語る“人生を変えたラジオ”と憧れの甲斐よしひろ、長渕剛との共演

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ギタリストとして夢の共演が次々に実現

 それ以降、様々なアーティストと共演してきた。押尾のギターが寄り添い、互いが引き立つコラボが数多く実現してきた。

「印象深いのは、高校時代に大阪城ホールに観に行った甲斐バンドの甲斐よしひろさんです。僕がラジオで甲斐バンドの『安奈』をギターで演奏したんですが、ファンの人を通じてそれが甲斐さんの耳に入ったみたい。それと2002年に出演したスイスの『モントルージャズフェスティバル』の僕を甲斐さんがたまたまテレビで観て、興味を持ってくださったみたいで。まさか双眼鏡でステージを観ていた人と一緒にできるなんて。感激でしたね」

 甲斐とは2012年を皮切りに複数回のコラボツアーを実施したほか、テレビの音楽番組でも共演した。

「甲斐さんが僕のギターをすごく楽しんでくださり、僕らしいギターを弾くとすごく喜んでくださって。ああしろ、こうしろというよりも化学反応を楽しんでくれていました」

 ファンと公言して憚らない長渕剛との共演も忘れ難い。

「2004年のトリビュートアルバム『Hey ANIKI!』で『乾杯』をインストゥルメンタルでカバーしました。その年の『桜島オールナイトコンサート』にも呼んでくれました」

 かつて通った音楽専門学校「PAN SCHOOL OF MUSIC」学長のミッキー吉野とも、2025年のクリスマスライブで“師弟共演”が実現した。

「ミッキーさんは僕が卒業生というのはご存じで、新聞などでも何度か僕のことを書いてくださったりしていました」

 今年6月に東京国際フォーラムで行われたメジャーデビュー25周年のプロローグライブでは、ピンクレディーの未唯mieがアンコールに登場。押尾のギター1本の伴奏で「UFO」を熱唱して沸かせた。2014年に小倉久寛の舞台で共演して以来の縁だ。

ギター1本で確立してきたギター道

 振り返ってみれば、ギター1本で道を切り開いてきた四半世紀だった。根底には、やはり中川イサトのギター教室での日々があるという。

「イサトさんは海外のギタリストもチェックしていて、その中に『ウィンダム・ヒル・レコード』という米国のレーベルがあったんです。いわゆるヒーリングミュージックの走りでしたが、そこにいたマイケル・ヘッジスというギタリストの影響もすごく大きいです」

 ヘッジスは、弦を叩くスラップ奏法やハンマリング、プリングなどの奏法を駆使し、ギターボディをパーカッション代わりに叩く演奏も行うギタリスト。押尾のスタイルに直結する。

「メジャーデビューから24年が経過して、やっと音楽を楽しめるようになってきた感じがします。自分が30代の頃には、60歳になる頃を想像できなかったんですが、今もやっぱり、音楽で次はこうしたい、ああしたいといつも思っています。若手のギタリストもどんどん出てきて、そのエッセンスも取り入れつつ、次はどうやったらお客さんが楽しんでくれるかなと考えることはずっと変わらないですね」

 セッション相手との向き合い方、オーケストラやビッグバンドの中での立ち位置、もちろんソロにおいても、音楽を追究する気持ちは全く変わっていない。

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