「サイバー捜査のエース」が捜査費170万円で不倫相手とデート…低レベルすぎる不祥事に「サイバー警察局の焦りも影響したのでは」
読売新聞スクープの裏側?
「ランサム被害復元2000万件 警察庁開発 国内41社救済」
こんな見出しのスクープ記事が9月12日、読売新聞の朝刊社会面トップを飾った。同様の原稿は同日午前5時、WEBの読売新聞オンラインにもアップされた。警察庁担当の経験がある民放記者は「読売さんが『うちの特ダネです』という意味で、ほかの新聞社が紙面では同着で掲載できない時間にアップしたのでしょう」と推察する。
また、警視庁の現職警察官は「私も20年以上、警察で飯を食っていますから分かりますが、この記事を見て『サイバー警察局も必死だな』と思いましたね」と語る。果たしてどういうことだろうか。
警察庁のサイバー警察局がネット犯罪の激増を受けて2022年に発足した経緯は、筆者が6月25日にデイリー新潮にアップした「犯罪収益622億円を“洗浄”したロシア人を逮捕」の記事で詳報している。
「鳴り物入りでスタートしたばかりのサイバー警察局ですが、実は既存の警備局や刑事局などの担当者からは『頼りにしている』という声がある一方で『仲間意識は必ずしも強くない』との受け止めもあるようです」(前出の警察OB)
読売新聞の記事は、企業のデータを暗号化する身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウェア」の被害が拡大する中、警察庁が独自開発した復元ツールが2024年2月の運用開始以降、国内41社のデータを回復させていたというもの。顧客リストや社員名簿など2000万件のファイルを復元できたことで、身代金の被害を防止したという「サイバー警察局の“お手柄”を報じたものです」(前出の民放記者)。
伊貝氏の書類送検と処分の発表が9月10日、スクープが12日。「処分の発表日は当然、警察庁が決めたもの。私は裏事情を知っているわけではありませんが、直後のお手柄話発覚は『単なる偶然』と言われても、額面通りには受け取れません」(同)
30万人もの全国警察職員中、わずか数千人程度で、ある意味“外様”の技官がメインのサイバー警察局は、警察庁で捜査を指揮する刑事局、警備局、交通局、生活安全局に続く5番目の局だ。
「だが、発足わずか4年と歴史が浅く実績も乏しい。一方で担当事件は急増の一途。局内に充満する焦燥感がエースを野放しにしてしまった背景にはあるはず」(前出の現職警察関係者)
前出の民放記者は「サイバー局が発表する逮捕の広報文は、ユーロポールや米国の司法当局が出したプレスリリースに『オペレーション参加国として、日本警察についても言及されている』とか『データの提供を受け(中略)オペレーションに貢献した』とか、いつも他力本願の自己PRばかり。デスクから『日本の警察は外国の手伝いばっかりじゃないか』と言われ、私も肩身が狭い思いを何度もしました」と振り返る。
不正の背景には、専門家集団のブラックボックス化と、外様で新生部署ゆえの焦りがあったようだ。
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