「ファンを回したまま飲食店に入るのは勘弁して」 いまや“電動ファン付き作業服”は現場作業の必需品だけど…“モーター音”や“安全性”だけじゃない意外な問題点

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ファン付き作業服のマナー問題

 そんなファン付き作業服の普及に伴い、現在現場で懸念され始めているのが、使用に対する「マナー」の問題だ。

 ある現場関係者はこう話す。

「最近、ファン付き作業服のファンを回したまま飲食店で食事をしている方を見かけます。食事をする側としては、汗や臭い、衛生面が気になってしまう」

 実際、飲食店でファン付き作業服を着たままの人が座った際、ファンの音や襟・裾などから漏れ出た空気が気になったという世間からの声も。これに対し、ファン付き作業服を使用する作業員たちからは

「賛成。飲食店ならエアコンもそこそこ効いているんだしファンは切るべき」

「エアコンの効いた部屋でファン回すとめっちゃ涼しいのですが、ファンをとめると、風を通さない素材なので逆に熱い。しかしファンを店の中で回し続けると、汗臭と体臭を周りに撒き散らすことになりますもんね。気遣いは大事」

 とする声が多く上がる一方、

「風量の“弱”くらいは許してほしい。暑い所から涼しい所に入った時にあのひんやりした空気を取り込んだ時の気持ちよさ、堪らないんですよね」

 とする声や、「弱くらいは認めてあげて欲しい。お店にいる間に体温下げさせてあげて欲しい」という現場外からの意見もあった。

 実際、店によっては「ファンの使用はご遠慮ください」「店内では電源をお切りください」としているところも増えてきているという。

「『暑い中、仕事してるんだから』、と揉めている場面にも遭遇したことも。ファンで服の中の空気を循環させているので、汗の臭いも一緒に出てしまいます。もちろん気を付けている方も多く、うちの会社では、飲食店ではファン付き作業服を脱ぐよう徹底しています。飲食店などではファンを止める・ファン付き作業服を脱ぐなどのマナーが現場に広まってほしい」

 こうしたブルーワーカーたちの使用感を反映し、今後よりいい商品が開発されることを期待したいところだが、一方、そもそも論として、ブルーカラーの夏の現場は、作業そのものに対策が必要なのではとも感じる。

 最近の夏は、外で体を使って仕事をするには、あまりにも暑い。

 作業員が高齢化していく現場。夏という季節の作業においては、ハード面ソフト面から対策を講じる必要があるのではないだろうか。

橋本愛喜(はしもと・あいき)
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)、『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』(KADOKAWA)

デイリー新潮編集部

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