「ファンを回したまま飲食店に入るのは勘弁して」 いまや“電動ファン付き作業服”は現場作業の必需品だけど…“モーター音”や“安全性”だけじゃない意外な問題点
ファン付き作業服の欠点
一方、あまりの暑さのせいか、現場によっては効果を感じにくいという声も。
「服の中に取り込む外の空気自体がもはや熱いので、それほど冷えません。『ないよりマシ』が正直なところ」
「冷却剤入れないと、ひたすら熱風かき回してるだけですから(笑)。さながら、サウナにおけるロウリュのごとし」
「暑い外での着用では涼しいとは感じないが、水分補給の量がかなり少なくて済むことは確かですね」
さらに、その作業服らしい地味な色も手伝い、ファンの空気によって服が膨れると「ミシュランマン」のようになるのも気になる点のようだ。
「中年の作業員は見た目など気にしていられないでしょうが、若い作業員からは、やはり『ダサい』という声がチラホラ聞こえてきますね」
「今はどの現業職も女性が増えたんですから、デザイン性も多少でいいから加味して欲しいですよね。まあ、こういうと大抵『ピンクのファン付き作業服用意しました』となるのがこの業界の悲しいところ」
しかし、本当に問題なのは「見た目」ではない。作業の妨げになる点も多くある。今回の取材で多かったのが「音」に関する声だ。ファンはかなりの音がする。
「近くにいると、結構うるさいんですよね。もっと静音のファン作れないんだろうか」
「現場で作業している際は気にならないが、事務所など静かなところに入った途端、人の会話が聞こえにくくなる」
「話が聞き取りにくくなるので(要するに音が耳障りなので)事務所では使用しないで下さいって言われたことはあります」
使用中の危険性も
さらに、ファンの位置や大きさの改善を求める声も多かった。
「狭いところに入るときに、ファンが当たって邪魔になることがある」
「腰辺りにファンが付いてるタイプは、椅子に座ったりフォークリフトに乗ったりするとファンが背中に当たって痛いです」
「日陰のないサーキット場では、長袖タイプは日に焼けないので嬉しいですが、車の乗り降りが多い時は、背中にあるファンが邪魔なのでファン付き作業服を前後逆にして着たりしています」
「フード付きはヘルメット内まで冷えて良いらしいですが、ヘルメットの表面に書いてある会社名や苗字が見えなくなるのが欠点。今は長袖空調服+ファン付きのヘルメットで過ごしています」
最近ではサイドファンタイプ、さらにはフルハーネス等にも対応するタイプなどラインナップが豊富になってはきているが、現場の作業員は1つの動作を延々続けているわけではないため、やはりファンの存在そのものに課題がありそうだ。
もう1つ、ファンやバッテリーの「安全性」に対する深刻な懸念点も。
「溶接・塗装をしています。火を使う熱い現場なのでファン付き作業服は必須ですが、横にあるファンが塗装ミストと溶接のガスを巻き込んで胸元から出てきます」
「火花が散る作業場では、空気を吸い込むと同時に火花まで服内に入ってしまい、火傷に繋がったとの事象もあるようです」
「補助金を使ってドライバー用に導入したいと思ったのですが、バッテリー管理について懸念材料を提示され、却下に。短時間でも勤務中に車内に置き去りにする可能性や、点呼時に事務所で受け渡す場合も、管理担当者の確保が難しいのが課題です」
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