高市首相の「プーチン大統領への抗議」は“空ぶかし”に過ぎない…ロシアから年間20万人の観光客 「日本はスパイ天国」と揶揄される理由

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 ロシアのプーチン大統領が8月13日、突然、北方領土の択捉島を訪問した。高市早苗首相は即刻、「断じて許容できない」と非難したが、折しも米ニューヨーク・タイムズ紙が「日本はロシア人スパイの巣窟」と報じたばかりだ。これらを現代ロシア政治の専門家はどう見たか。

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 高市首相は表情を硬くしてこう語った。

「本日13日、プーチン・ロシア大統領が択捉島を訪問したという報告を受けました。2024年1月にプーチン大統領が北方領土を必ず訪問する旨を述べて以来、日本政府としてはロシア側に対して、大統領による北方領土訪問が行われないよう随時申し上げてまいりました。それにもかかわらず、本日、プーチン大統領が択捉島を訪問したことに強く抗議をいたします。北方領土は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であります。ロシアの現職の大統領による今般の択捉島訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相容れません。また、日本国民の感情を傷つけるものであり断じて許容できません。ロシアによるウクライナ侵略を受けて、日露関係は厳しい状況にあります。そのような中でも日本は、できる限りの努力を払ってきましたが、今回の訪問は日本国内の対露感情を一層厳しくし、中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ません。ロシア側においてはこのことの重大さを深刻に受け止めてほしいと考えております。以上です」

 ロシアの国家元首が北方領土(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)を訪問したのはこれが2度目。2010年11月にメドベージェフ大統領(当時)が国後島を訪れて以来のことだ。言うまでもないが、北方領土は古くから日本人が暮らしていた地域だ。第二次世界大戦末期、ロシア(当時はソ連)は日ソ中立条約が有効だったにもかかわらず対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後になって北方領土を占領した。

欧米諸国が日本に怒り

 なぜプーチン大統領は、わざわざ終戦記念日の2日前に北方領土を訪れたのか。多くのメディアは、ウクライナ侵攻が長引いていることへの焦りだと報じている。9月に控えた下院選に向け、領土問題は譲らないとロシア国民にアピールしているのだという。だからこそ高市首相も「断じて許容できない」「中長期的な関係回復を困難にした」と強く訴えた――。

 ところが、国際政治学者で筑波大学名誉教授の中村逸郎氏はこうように言う。

「私には高市首相が発したコメントは“空ぶかし”にしか聞こえません。ロシアを非難しているようには思えないのです。高市首相は今、日本という国が世界中からどう見られているかについて、疎すぎると言わざるを得ません」

 どういうことだろうか。

「先日、ニューヨーク・タイムズが『日本はロシア人スパイの天国と化している』という大見出しを打ちました。そしてこの記事に同調するように、ヨーロッパ諸国からも日本に対する怒りの声が渦巻いたのです」(中村氏)

 ニューヨーク・タイムズは7月12日、ウクライナ侵略が開始された2022年以降、日本が西側諸国から追放されたロシア人スパイの活動拠点となり、戦闘継続のためのハイテク物資や部品がロシアに渡っていると報じた。

「欧米諸国はウクライナを支援しつつ、アメリカと交渉を重ねてロシア問題に対応しています。にもかかわらず、日本からロシアに半導体や電子部品が大量に輸出されており、ウクライナを攻撃するミサイルやドローンなど軍需製品へと転化されているというのですから、欧米諸国が怒るのも無理はありません」(同前)

 ロシアへの経済制裁には日本も参加しているはずだが?

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