「猫のほうから裏切ることはない」「猫のいる場所が“帰る場所”」 猫好きの歌手・作家・酒場詩人が明かす「人生を変えた“あの猫”とのひと時」
猫は裏切らない
元保護猫が産んだ「マル」と「オレオ」の弟姉を育てている、藤あや子さん(65)にも話を伺った。大阪に住んでいる義母が元保護猫を育てていたが、4匹の子を産み、そのうちの2匹を引き取ったのだという。藤さんはXに、その後に引き取った「じゃこ天」も入れた3匹の写真を定期的にアップしている。フォロワー数は34万超だ。
インタビューは藤さんが原案、作画・ホンマジュンコのコミック『マルとオレオ ふたりはなかよし』の出版に合わせたもの。藤さんの猫への想いについては「あとがき」がまとまっていてわかりやすい。
「私は子どもの頃から捨て猫を拾ってきては面倒を見てしまうような人間だったのですが、10年前に愛猫を亡くしてからはもうお迎えしないと決めていました。でも、生まれたばかりの子猫たちの写真を目の前にしたらがっちりハートを鷲掴みされ、里親になることを決意していました……マルとオレオとの暮らしはとても楽しく、人生の後半でこんなに愛おしい存在に出会えるとは思ってもみませんでした」
夕刊紙「日刊ゲンダイ」では、定期的に「日刊ニャンダイ」という特別号を出している。筆者は直接、編集には関わっていないのだが、興味深い猫談議が載ることも多い。そのうちいくつかをピックアップすると……。
作家の佐藤優(66)は「月刊Hanada」で「猫はなんでも知っている」を連載し、家では4匹の猫を飼っている愛猫家だ。外務省で主任分析官として勤務していた佐藤は、衆議院議員・鈴木宗男に連座する形で逮捕、起訴された。その時、検察に迎合した上司や同僚の裏切りにあった。
人は平気で裏切る、ということを身をもって体験した佐藤の怨念……。ここで猫の登場となる。「日刊ニャンダイ」の見出しは〈裏切りと孤独に耐える力を得たのは猫たちのおかげ〉(21年3月5日発行から)。
「飼い主との間で信頼関係が確立されると、猫のほうから裏切ることはない…私は猫の最大の美徳は忠実で誠実であることだと考える…私は猫のことを全面的に信頼しているし、猫たちも私を裏切ることはない」
猫はかけがえのない存在
中高年に人気の「吉田類の酒場放浪記」(BS―TBS)でおなじみ、酒場詩人・吉田類(77)の猫好きもよく知られるところ。「ニャンダイ」に何度も登場している。最近では酒場の放浪もいいけど、飲んでいても猫が気になるそうだ(23年2月16日発行)。
〈(猫が待っている)家に帰ることを考えるとは、僕もヤキが回ったかな(笑)。でも年齢のせいか、猫のいる場所が「帰る場所」だと思えるようになってきた〉
拙著『猫のいる人生』で取り上げた中では、猫を5匹飼っていたビリー・バンバンの菅原進さん(78)の話が切ない。可愛がっていた1匹が昨年、虹の橋を渡った。その心境について短いコメントを送ってくれた。ペットロスとは何かを深く考えさせられた。猫は飼い主を待って息を引き取るといわれている。その例として、俳優の平岳大さん(52)とムード歌謡グループ、純烈の白川裕二郎さん(49)に貴重な体験談も伺った。
大げさだと言う人もいると思うが、猫は飼ってみると本当にかけがえのない存在である。




