コメ農家への支援は「5キロ3500円を死守」 専門家が「コメ価格の高値維持がむしろ農家を苦しめる」と指摘する理由

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 前編【「コメ価格にコミットしない」はずの“鈴木農水相”が「稲刈りが始まる前に備蓄米を買い戻したい」と決意表明…まれに見るコメ余りでも「米価は絶対に下げたくない」の本音】からの続き──。日本有数の米どころでさえ「コメ農家は続けられない」との悲鳴が上がっている。JA全農にいがたは8月18日、今年の新米に対する「前払い金(概算金)」をコシヒカリは玄米60キロ1万8500円と決めた。昨年の3万円と比較すると4割減となり、県内のコメ農家からは「これでは採算が合わない」との声が相次いだ。(前後編の後編)

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 2024年の夏以降、日本では“令和の米騒動”が猛威を振るった。5キロ5000円台など販売価格が異常に高騰し、消費者のコメ離れが加速した。卸業者の倉庫には今も売れない昨年のコメが山と積まれている。

 そこに今年の新米が上乗せされたらどうなるか。史上空前の在庫量に達して「コメ販売価格の大暴落が起きる」と不安視する業界関係者は極めて多い。

 物価高や実質賃金の伸び悩みに苦しむ現役世代、乏しい年金だけでやりくりしている高齢世代にとってコメ価格が5キロ2000円を割る“大暴落”は望むところだ。

 だがコメ農家は「今年の新米が安く買い叩かれると死活問題に直結する」と訴える。採算割れの農家が続出して離農者が急増すると、文字通りの「国家危機」が訪れる。例えば「食料安全保障」の問題だ。

 食品、それも主食を特定国からの輸入に大きく依存してしまうと、その国との関係が悪化した際、外交的圧力に屈しやすくなる。戦争に勝って他国を占領しなくとも、食糧で他国を支配することは可能だ。つまり日本の食糧自給率が低ければ低いほど、安全保障上のリスクは高まることになる。

 他にも洪水防止、地下水の涵養などによる水資源の維持、生物多様性の保護、土壌流出の防止……など枚挙に暇がない。

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