夏の風物詩「セミの合唱」をリードするセミの種類が…東京都内ですっかり変わってしまった!

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海中の様子もすっかり変わっている

 身近な昆虫を観察している人は、案外、少ないかもしれない。だが、じつは、私たちの周囲にいる昆虫たちは、こうして新参者が増え、その新参者が主導権を握るなど、温暖化の影響で顔ぶれが入れ替わっているのである。

 こうした変化は、われわれを取り囲む生態系の各方面で起きている。たとえば、潮の流れに乗って、たいした力を使わずに遠くまで移動できる魚など海の生き物は、昆虫以上に生息域の変化が急激だ。海水温が上昇したことで、高い水温を好む魚は、生息する海域が北方へと拡大し、もともと低い水温を好む魚は、日本周辺まで南下する個体が減少してしまっている。

 比較的南方の海域にいたタチウオやイセエビなどが、東北で豊漁になっているのはその一例だ。一方、冷たい海を好むサケやマス、スルメイカなどは、日本近海での漁獲量がどんどん減っている。海中の様子は陸からは見えないが、激しく変化しているようなのだ。

 私たちはこの変化にどう対応すればいいのか。一人ひとりにできることは小さいが、せめて、どんな変化が起きているか、ということは知っておいたほうがいい。それは、自分自身が現在、どんな環境のもとに生きているのかを知ることにほかならないからである。

香原斗志(かはら・とし)
音楽評論家・歴史評論家。神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。著書に『カラー版 東京で見つける江戸』『教養としての日本の城』(ともに平凡社新書)。音楽、美術、建築などヨーロッパ文化にも精通し、オペラを中心としたクラシック音楽の評論活動も行っている。関連する著書に『イタリア・オペラを疑え!』(アルテスパブリッシング)など。

デイリー新潮編集部

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