百貨店が「アニメ」「漫画」「ゲーム」を大展開する理由…オタクコンテンツは海外の高級ブランドと肩を並べたのか

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百貨店に売り込みに行ったら

 余談だが、筆者は、2007年から故郷の秋田県羽後町で、“美少女イラスト”を使った町おこしを推進したことがあった。その一環として翌年に発売したのが、「美少女イラスト入りあきたこまち」である。この商品を企画した際、JAの担当者とともに東京の「池袋三越」に販売を持ちかけたことがあったが、断られてしまった。

 担当者から言われたのは、「店のイメージに合わない」ということだった。ならばと、秋葉原の同人誌ショップ「とらのあな」にも売り込みに行ったが、返事は残念なものだった。結局、どこの店でも扱ってくれなかったので、JAのネット通販で販売することにしたのだが、注文が殺到、わずか3か月で約1年分のコメが売れてしまった。

 その後、いくつかの百貨店で取り扱われるようになったのだが、後追いという印象が否めなかった。筆者はこのとき、百貨店が時代の先を走り、流行を創り出し、リードする時代は終わったんだなと寂しく感じたものであった。なお、「池袋三越」も秋葉原の「とらのあな」もその後、閉店してしまった。

「三越」と『涼宮ハルヒの憂鬱』がコラボ

 話を戻す。そんな過去を体験している筆者にとって、百貨店がオタクコンテンツを大々的に扱うようになったことは驚きである。オタクコンテンツが海外ブランドと肩を並べるか、それ以上の存在になりつつあることの証明といってもいいだろう。

 今年の5月には、建物が重要文化財にも指定されている老舗中の老舗「日本橋三越本店」が、周囲に高級ブランドがあるなかに『涼宮ハルヒの憂鬱』のイベントスペースを設けて話題になった。会場ではグッズの販売や、関連書籍の展示なども行われていた。

 また、「三越日本橋本店」や「伊勢丹新宿店」などの画廊でも、オタクコンテンツに縁の深いイラストレーターや漫画家の原画展を行う例が目立っている。地方の百貨店では、往年のアニメのセル画や、漫画家の色紙を販売する展示即売会も盛んだ(筆者が見たところ、画廊は鑑定のスキルがないようで、手塚治虫の贋作を売っている例もあったようだが)。

 オタクコンテンツのショップを設ける最大のメリットは、海外ブランドを誘致するよりはるかに楽な点にある。専門の什器を入れるなどの大規模な改修や、周囲のブランドに対する配慮(どことは言わないが、このブランドの隣には出店したくない、などの要求をするブランドが多いのだ)も不要だ。サテライトショップであれば、空きスペースで実施できることも大きなメリットである。

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